
はじめに
ホームページの管理会社が倒産された方へ
「管理会社が倒産して連絡がとれなくなって困っている」というご相談を多く頂いております。
急な事でお困りだと思います。
ドメインやサーバーに関してよく分からないという方も多いと思います。
当社でも出来る限り今お持ちのホームページを継続できるようにサポートさせて頂きます。(どうしようもできない場合もあります)
相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。
「ホームページの管理を任せていた会社に連絡しても、電話もメールもつながらない」「制作会社が倒産したという知らせが届いた」。
そのような状況で、自社のホームページやメールがこの先どうなるのか、不安を抱えている経営者様・ご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
ホームページ制作会社(Web制作会社)が倒産しても、ホームページがその日のうちに消えるとは限りません。
ただし、ドメインやサーバーの契約の期限が来れば、ホームページもメールも止まります。
最優先で確認したいのはドメインの名義と有効期限で、次に公開中のデータとメールの行き先を確保します。
作り直すかどうかは、そのあとで決めても遅くはありません。
この記事では、制作会社が倒産すると何が止まるのか、連絡が取れなくなったら最初にやる5つの手順、名義と状況で変わる取り戻し方を順に解説します。
業種別に先に確認したいことと、同じことを繰り返さないための備えもあわせてご紹介します。
制作会社が倒産すると、ホームページとメールはどうなるのか
ホームページ制作会社が倒産したとき、ホームページとメールが止まるかどうかは、倒産そのものより「誰の名義の契約が、いつ期限を迎えるか」で決まります。
まずは、ホームページとメールがどのような契約とデータで動いているかを整理しましょう。
そのうえで、すぐに止まるのか、どのくらい余裕があるのかを見ていきます。
ホームページとメールを支える5つの契約とデータ
会社のホームページとメールアドレスは、いくつかの契約とデータが組み合わさって動いています。
制作会社がそのどれを管理していたかによって、倒産の影響は変わります。
| 項目 | 役割 | 制作会社の名義・管理になっていると |
|---|---|---|
| ドメイン | ホームページとメールアドレスの住所(○○.co.jp など) | 更新されないまま期限を迎えると、ホームページもメールも使えなくなる |
| サーバー | ホームページのデータを置いて公開するコンピューター | 契約が切れると、ホームページが表示されなくなる |
| サイトのデータ | 文章・画像・プログラム。WordPressならデータベースとファイル | 手元になければ、別のサーバーで同じホームページを復元できない |
| メール | 会社のメールアドレスでの送受信 | メールを扱うサーバーが制作会社の契約で、その契約が切れると止まる |
| アカウント・外部サービス | Googleの各種管理画面、予約やフォームなどのサービス | 制作会社のアカウントで登録されていると、管理画面に入れなくなる |
なかでも影響が大きいのは、ドメインとサーバー(ホームページのデータを置いて公開するためのコンピューター)です。
ドメインが住所、サーバーが建物にあたり、どちらか一方が止まるだけで、ホームページは見られなくなります。
すぐに消えるとは限らない。止まるのは期限が来たとき
制作会社が倒産しても、サーバーやドメインの契約がすぐに解約されるとは限りません。
料金が前払いされていれば、期限までは表示され続けることもあります。
一方で、更新の手続きや支払いが止まっていれば、期限が来た時点でホームページやメールは止まります。
残りの期間は契約の周期によって異なり、数週間のこともあれば、数か月以上のこともあります。
今表示されているから大丈夫と判断せず、期限を確かめることが先決です。
また、保守管理が止まると、WordPressなどのシステムやプラグインの更新も止まったままになります。
更新されないホームページが抱えるリスクは、WordPressを放置すると乗っ取られる?5つのリスクと対策で解説しています。
制作会社の倒産・廃業は珍しいことではない
東京商工リサーチは2026年7月14日、ソフトウェア開発やホームページ制作などを請け負う「情報サービス業」の倒産状況を公表しました。
2026年上半期(1〜6月)の倒産は166件で、同社はこれを過去10年で最多としています。
また、倒産した企業の8割以上を従業員5人未満の企業が占めていました。
少人数の会社では、担当者1人と連絡が取れなくなるだけで、窓口そのものが止まってしまうことがあります。
制作会社の規模にかかわらず、自社のホームページの契約がどうなっているかを把握しておくことが大切です。
管理会社と連絡が取れなくなったら最初にやること|5つの手順
制作会社・管理会社と連絡が取れなくなったら、失うと取り戻しにくいものから順に確認していきます。
いずれも、相手からの返事を待っている間に進められる手順です。
次の5つを、上から順に進めてください。
- 相手の会社がどうなっているかを確かめる
- ドメインの名義と有効期限を確認する
- サーバーの契約者と、メールの行き先を確認する
- 公開中のデータとログイン情報を確保する
- Googleのアカウントや外部サービスの権限を洗い出す
手順1|相手の会社がどうなっているかを確かめる
連絡が取れない理由が、倒産なのか、廃業なのか、一時的なものなのかによって、相談する相手が変わります。
まずは公開されている情報から、相手の会社の状況を確かめましょう。
- 相手の会社のホームページ:破産の手続きが始まっている場合、その会社のホームページに、破産管財人からお客様向けの案内が掲載されることがあります。破産管財人とは、裁判所が選ぶ、会社の財産を管理する人のことです。ドメインやホームページのデータの扱いについて案内が出ていないかを確認してください。相手のドメインやサーバーが止まると案内も見られなくなるため、画面を保存しておくと安心です。
- 官報:破産手続開始の決定は、官報で公告されます(破産法第10条・第32条など)。官報は2025年4月1日から電子化されており、国立印刷局は、発行から原則90日間は閲覧できると案内しています(2026年9月時点)。
- 法人番号公表サイト:国税庁の法人番号公表サイトでは、清算の結了などで登記記録が閉鎖された法人について、その旨と年月日が公表されます。ただし、手続きの途中の状況まで分かるとは限りません。
あわせて、連絡した日時・手段・内容を、メールの控えや通話の記録として残しておきましょう。
あとで相談先に経緯を説明するときに役立ちます。
破産手続きで破産管財人が選ばれると、会社の財産の管理と処分をする権利は破産管財人に専属します(破産法第78条第1項)。
そのため、ドメインやデータの引き渡しを相談する窓口が、破産管財人になることがあります。
ただし裁判所の説明によれば、財産が少ない場合には、破産管財人を選ばないまま手続きが終わることもあります。
個別の手続きや請求については、弁護士にご相談ください。
手順2|ドメインの名義と有効期限を確認する
5つの手順のなかで、最も優先したいのがドメインです。
ドメインを失うと、ホームページのデータが手元にあっても同じアドレスでは公開できず、会社のメールアドレスも使えなくなります。
.jp や .co.jp で終わるドメイン名を、JPドメイン名といいます。
JPドメイン名は、登録管理を行う株式会社日本レジストリサービス(JPRS)の「JPRS WHOIS」で、登録者名やドメイン名の状態を調べられます。
属性型JPドメイン名(.co.jp など)の場合、状態の欄の括弧内の日付が有効期限です。JPRSの「JPRS WHOIS検索結果の表示例」で、このように説明されています(2026年9月時点)。
表示のしかたはドメイン名の種類によって異なるため、分かりにくい場合は登録サービスの管理画面や更新の案内でも確かめてください。
なお、汎用JPドメイン名(○○.jp)と都道府県型JPドメイン名(○○.osaka.jp など)には、登録者名を非表示にする設定があります。
この設定がされていると、登録者名は確認できません。
JPRS WHOISには、そのドメイン名がどの指定事業者の管理下にあるかは表示されません。
指定事業者とは、ドメイン名の登録や更新の手続きを受け付ける登録サービスの会社です。
管理している指定事業者が分からない場合について、JPRSは、登録者または連絡窓口の方からの問い合わせに応じると案内しています(2026年9月時点)。
ドメイン名を添えて問い合わせ、登録者または連絡窓口の方であることが確認できれば、管理している指定事業者を知らせてもらえます。
制作会社が手続きを代行していて、どの登録サービスを使っているか分からないときの手がかりになります。
.co.jp は、日本国内で登記を行っている会社が登録できるドメイン名で、原則として1つの組織が1つ登録できます(JPRS)。
WHOISで登録者名が自社になっていても、更新の手続きや支払いを誰が行っているかは別の問題です。
登録サービスの管理画面に、自社でログインできるかもあわせて確認してください。
.com や .net などのドメイン名は、登録サービスの検索画面や、ICANN(ドメイン名の国際的な調整を行う団体)の検索ツールで調べられます。
調べられるのは、公開されている登録情報です。
有効期限が近い場合は、ほかの手順より先に、登録サービスへ事情を相談してください。
期限が切れたあとの扱いは、記事の後半の「よくあるご質問」で解説します。
手順3|サーバーの契約者と、メールの行き先を確認する
次に、ホームページのデータが置かれているサーバーの契約者を確認します。
サーバーの契約が切れると、ドメインが残っていてもホームページは表示されなくなります。
- 支払いの記録:請求書や口座振替の明細、サーバー会社から届いたメールを探します。サーバー会社に直接支払っていれば、自社が契約者である可能性があります。制作会社にまとめて支払っていた場合は、制作会社がサーバーを契約していると考えられます。
- 管理画面:サーバー会社の管理画面に、自社でログインできるかを確認します。
- メールの行き先:パソコンやスマートフォンのメールソフトの設定画面で、受信サーバー名を確認しておきます。会社のメールがどのサーバーで動いているかの手がかりになります。
制作会社が契約した1台のサーバーに、複数のお客様のホームページがまとめて置かれていることもあります。
この場合はサーバーの契約ごと引き継ぐことが難しいため、データを別のサーバーへ移す前提で準備を進めます。
手順4|公開中のデータとログイン情報を確保する
ホームページが表示されているうちに、データとログイン情報をできるだけ確保します。
サーバーが止まってからでは、取り出せるものが大きく減ってしまいます。
WordPressで作られている場合は、保存するものに注意が必要です。
公式ドキュメント「WordPress のバックアップ」では、WordPressサイトのバックアップはデータベースとファイルの2つに分かれると説明されています。
文章などの投稿はデータベースに保存されているため、ファイルだけをコピーしても、ホームページ全体は元に戻せません。
- WordPressの管理画面に管理者としてログインできる場合:バックアップ用の機能やプラグインで、データベースとファイルの両方を保存します。
- サーバーの管理画面に入れる場合:サーバー会社が用意しているバックアップの機能などを使います。
- どちらにも入れない場合:公開されているページの文章や画像を保存しておきます。見た目をすべて元に戻すことはできませんが、作り直すときの材料になります。
契約書、請求書、納品時のメール、IDやパスワードをまとめた資料など、手元にある書類も集めておきましょう。
相談先に状況を伝えるとき、次の情報がそろっていると話が早く進みます。
| そろえたい情報 | 分からないときの探し方 |
|---|---|
| ドメインの契約者と有効期限 | JPRS WHOISなどの検索(手順2) |
| ドメインの管理画面のログイン情報 | 登録時の案内メール、制作会社からの納品資料 |
| サーバーの契約者 | 請求書や口座振替の明細、サーバー会社からのメール |
| サーバーの管理画面のログイン情報 | サーバー会社からの契約完了のメール |
| WordPressなどの管理者アカウント | 納品資料、更新を担当していた社員のメモ |
| 制作・保守の契約書と請求書 | 経理・総務の書類、メールの添付ファイル |
弊社の倒産時のご相談専用フォームでも、ドメインとサーバーの契約者や、ログイン情報が分かるかどうかをうかがっています。
分からない項目があっても、分かる範囲でご相談いただけます。
手順5|Googleのアカウントや外部サービスの権限を洗い出す
見落としやすいのが、Googleの管理画面や外部サービスのアカウントです。
制作会社のアカウントで登録されていると、データを見たり設定を変えたりできなくなります。
Googleのヘルプでは、次のような手続きが案内されています(いずれも2026年9月時点)。
- Google Search Console(検索結果での表示状況を確認するツール):ドメイン全体をまとめて登録する場合は、DNSにレコードを追加して所有権を確認します。ドメインを自社で操作できれば、自社で所有権を確認し直せます。他の所有者から引き継いだ場合は、自身の確認が済んだあとで、前の所有者の確認トークンを削除すれば未確認の状態に戻せると案内されています。
- Googleアナリティクス(アクセス解析):社内に管理者権限を持つ人がいない場合は、ヘルプ「管理者権限を取得する」の手続きを確認してください。サイトの所有権を証明するための指定のファイル(analytics.txt)をトップレベルドメインに置き、フォームから申請する流れです。アカウントに登録されたすべてのサイトについて、所有権を証明することが条件です。
- Googleビジネスプロフィール(Googleマップなどに表示される会社・店舗の情報):他の人がオーナーになっている場合は、オーナー権限をリクエストできます。現在のオーナーから3日以内に返信がない場合は、オーナー申請ができる場合があると案内されています。
Search Consoleとアナリティクスの手続きは、ドメインやサーバーを自社で操作できることが前提になります。
手順2〜4とあわせて進めてください。
このほか、予約システム、問い合わせフォームのサービス、有料のWebフォント、地図などを、制作会社のアカウントで契約していないかも確認します。
制作会社の契約が止まると、ホームページの一部の機能だけが動かなくなることがあります。
名義と状況で変わる、ホームページの取り戻し方
手順1〜5で状況が分かったら、ドメインとサーバーの名義に応じて取り戻し方を考えます。
自社名義であれば進めやすく、制作会社の名義であれば相手側の協力が必要になります。
自社がどのケースに当たるかを、次の表で確認してください。
| ケース | 状況 | 最初の一手 |
|---|---|---|
| ケース1 | ドメインもサーバーも自社名義 | 契約を自社で続け、管理を別の会社に頼むか自社で行う |
| ケース2 | ドメインは自社名義、サーバーは制作会社の契約 | 新しいサーバーを用意し、データを移す |
| ケース3 | ドメインが制作会社の名義・管理 | 登録サービスに相談し、名義と管理の移し方を確認する |
| ケース4 | ドメインもデータも取り戻せない | 新しいドメインで作り直す |
ケース1|ドメインもサーバーも自社名義の場合
最も進めやすいケースです。
料金の支払いを自社で続けていれば、制作会社と連絡が取れなくても、ホームページとメールは契約どおり使い続けられます。
あとは、これまで制作会社が行っていた更新や保守を、別の会社に引き継ぐか、自社で行うかを決めます。
別の会社に頼む場合の進め方は、ホームページの管理会社を変更する方法で解説しています。
ただし、前の会社から受け取るはずの情報は手に入らないため、手順4で確保した情報をもとに進めることになります。
ケース2|ドメインは自社名義で、サーバーが制作会社の契約の場合
ドメインが自社名義であれば、新しいサーバーにホームページを移し、同じドメインで公開を続けられる可能性があります。
流れは次のとおりです。
- 新しいサーバーを自社名義で契約する
- 手順4で確保したデータを、新しいサーバーに移す
- ドメインのDNS(ドメインとサーバーを結びつける仕組み)の設定を、新しいサーバーに向ける
- ホームページの表示とメールの送受信を確認する
サーバーを移すと、会社のメールアドレスを新しいサーバーで設定し直し、メールソフトの設定も変える必要が出ることがあります。
手順はサーバー移転時のメール設定で解説しています。
また、サーバー側にだけ残っている過去のメールは、サーバーが止まると取り出せなくなることがあります。
必要なメールは早めに保存しておきましょう。
ケース3|ドメインが制作会社の名義・管理になっている場合
最も注意が必要なケースです。
ドメインに関する手続きには3つの種類があり、どれが必要かによって、相手側の協力が要るかどうかが変わります。
| 手続き | 変わるもの | 相手と連絡が取れないときの壁 |
|---|---|---|
| DNSの設定変更 | ホームページやメールがつながるサーバー | DNSを管理している画面に入れなければ変更できない |
| 指定事業者の変更 | ドメインを管理する登録サービスの会社 | 変更元の指定事業者から、認証コードを受け取る必要がある |
| 登録者の変更(移転登録) | ドメインの名義 | 今の登録者と新しい登録者の合意が前提になる |
指定事業者の変更には、AuthCode(認証コード)と呼ばれるパスコードが使われます。
JPRSは、JPドメイン名で2022年11月13日から認証コードの利用を始めています。
そのうえで、登録者が変更元の指定事業者に認証コードを確認する流れを示しています(2026年9月時点)。
.com などのドメイン名でも、登録サービスを変えるときには以前から認証コードが使われています。
名義の変更は、汎用JPドメイン名の規則では、登録者と相手方の合意があることが前提です。
制作会社と連絡が取れないと、認証コードの受け取りや名義変更の合意が進みません。
相手と連絡が取れない場合の代わりの手続きは、JPRSの案内には示されていません(2026年9月時点)。
次の順で相談先を考えてください。
- ドメインの名義が自社で、手続きだけを制作会社が代行していた場合は、手順2で確認した登録サービスに、登録者として事情を相談する
- 名義が制作会社で、破産の手続きが始まっている場合は、破産管財人に相談する
- どちらの場合も、有効期限が迫っていれば、まず期限までの手当てができないかを登録サービスに確認する
- 手続きの進め方や相手とのやりとりは、弁護士に相談する
状況によっては、制作会社が倒産したあとでも、ドメインを残してホームページを引き継げることがあります。
弊社でも、以前の制作会社が倒産し、既存のホームページが消えてしまうリスクに直面していた歯科クリニック様からご相談をいただきました。
このときは、ドメインを救出する手続きとサーバーの移行を行い、そのうえでホームページ全体をリニューアルしました。
経緯はかなで歯科クリニック様の制作事例でご紹介しています。
ケース4|ドメインもデータも取り戻せない場合
手を尽くしてもドメインを取り戻せず、データも残っていない場合は、新しいドメインでホームページを作り直すことになります。
新しいドメインに変えると、名刺や印刷物、看板などに載せたアドレスと、会社のメールアドレスを変更する必要があります。
取引先への連絡や、Googleビジネスプロフィールなどに登録したホームページのアドレスの変更も必要です。
長く使ってきたドメインの年数そのものが、検索順位を押し上げるわけではありません。
ただし、そのドメインに集まっていた他のサイトからのリンクなどは、新しいドメインには引き継げません。
ドメインを変える場合に必要な対応は、ホームページのリニューアルでドメインはそのまま?判断と注意点を5つ解説で詳しく解説しています。
なお、ホームページがすでに表示されなくなっている場合は、倒産以外の原因も考えられます。
原因の切り分け方は、自分のホームページが消えた!その原因と対処法をご覧ください。
引き継ぐか、作り直すか|落ち着いてから決めること
ドメインとデータを確保できたら、今のホームページを引き継いで使い続けるか、作り直すかを考えます。
急ぐべきなのはホームページとメールを止めないことです。
作り直しの判断は、そのあとで落ち着いて行えば十分です。
そのまま引き継げるか、作り直しが必要か
引き継げるかどうかは、ホームページの作り方と、手元に残っているものによって変わります。
- 引き継ぎやすい場合:WordPressなど一般的な仕組みで作られていて、データと管理者権限がそろっている場合です。新しい管理会社のもとで、同じホームページを使い続けられる可能性があります。
- 作り直しを考える場合:制作会社が独自に開発したシステムで作られている、データが残っていない、作りが古くスマートフォンで見にくい、といった場合です。
作り直す場合でも、ドメインを残せていれば、同じドメインのまま、メールアドレスも変えずに新しいホームページへ移れます。
リニューアルの進め方や費用の考え方は、ホームページのリニューアルとはで解説しています。
先に止めないこと、作り直しはそのあとで
引き継ぎと作り直しを、一度に決める必要はありません。
まずホームページとメールを止めない状態をつくり、そのあとで作り直しを検討する順番も取れます。
保守管理をご依頼いただいた理由をうかがったアンケートで、米糠酵素風呂 爽様(東京都板橋区)から次のようなお答えをいただきました。
元々ありましたホームページの管理会社様と連絡が取れなくなり、困り果てて探した所、御社のHPにたどり着き即連絡いたしました。
爽様は、サーバーの契約からホームページの移設までを進めてドメインを残したあとで、これを機にリニューアルもご依頼くださいました。
アンケートの全文は、米糠酵素風呂 爽様のお客様の声でご覧いただけます。
制作途中だった・支払いが残っている場合
制作の途中で制作会社が倒産した場合や、支払いが残っている場合は、判断が難しくなります。
途中までのデザインや原稿を受け取れるか、著作権や利用の範囲はどうなるか、前払い金はどうなるか。
いずれも、契約の内容と個別の事情によって判断が分かれます。毎月の保守費用の支払いや、口座振替をどうするかも同様です。
写真・イラスト・フォントなどの素材についても、ライセンスの契約者が制作会社になっていないか、どの範囲で使ってよいかを確認しておきましょう。
破産の手続きが始まっている場合は破産管財人に、判断に迷う点は弁護士にご相談ください。
業種別|倒産の知らせを受けたら先に確認したいこと
制作会社が倒産したとき、何が止まると一番困るかは業種によって異なります。
ここでは5つの業種・団体について、先に確認しておきたいことをご紹介します。
自社に近いものを参考にしてください。
歯科医院・クリニック・整骨院
休診日や診療時間の変更を知らせられなくなると、患者様が来院してから休診に気づくことになりかねません。
Web予約や問診票などの外部サービスを使っている場合は、その契約者が制作会社になっていないかを確認してください。
作り直しでページの内容を書き直す場合、掲載できる表現には業界ごとのルールがあるため、判断に迷う内容は所管の窓口や専門家にご確認ください。
士業の事務所
税理士・社労士・行政書士などの事務所では、事務所のメールアドレスがお客様とのやりとりの中心になっていることが多いでしょう。
ホームページよりも先に、メールが止まらないかを確認することをおすすめします。
問い合わせフォームの通知が、どのメールアドレスに届く設定になっているかもあわせて確認しておきます。
飲食店・小売店
飲食店や小売店では、Googleマップに表示される営業時間などを見て来店されるお客様も少なくありません。
Googleビジネスプロフィールのオーナー権限が誰にあるかを確認し、制作会社にある場合は手順5の手続きを検討してください。
予約サービスやネットショップのアカウントの名義も確認しておきましょう。
工務店・製造業
施工事例や製品情報のページが多いと、ホームページのデータ量も大きくなりがちです。
データ量が大きいと、確保や移行に時間がかかることがあるため、表示されているうちに早めに保存を始めましょう。
見積もりや資料請求のフォームが、どこに通知される設定になっているかも確認が必要です。
学会・協会・マンション管理組合などの団体
学会や協会では、事務局の業務を外部に委託し、ホームページやメールの管理もその委託先が行っていることがあります。
委託先が倒産すると、会員への連絡手段がまとめて止まるおそれがあります。
マンション管理組合などでは、役員の交代で契約者が分からなくなっていることもあるため、請求書や総会の資料から契約先をたどってみてください。
同じことを繰り返さないために、次の管理会社と決めておくこと
今回のトラブルが落ち着いたら、次に同じことが起きても慌てずに済むよう、契約と情報の持ち方を見直しておきましょう。
新しい管理会社に頼む場合も、自社で管理する場合も、次の3点は共通です。
ドメインとサーバーは自社名義で契約する
ドメインとサーバーを自社名義で契約しておけば、管理会社に何かあっても、ホームページの住所と建物を失わずに済みます。
設定や更新の作業は管理会社に任せつつ、契約と支払いは自社で行うという分け方もできます。
更新の通知が届くメールアドレスを、自社で受け取れるアドレスにしておくことも大切です。
ドメインを取得するときや名義を見直すときの注意点は、知らないと怖い「ドメイン」の5つの注意点でご紹介しています。
ログイン情報と契約書類を、社内の1か所にまとめる
ドメイン・サーバー・WordPress・Googleの各種管理画面のログイン情報と、契約書や請求書を、社内で決めた1か所にまとめておきます。
担当者が変わっても引き継げるよう、どこに何があるかを複数の人が分かる状態にしておくと安心です。
解約するときのデータの引き渡しを、契約書に書いておく
管理会社と契約するときは、解約するときにデータや管理者権限を引き渡してもらえるかを確認し、契約書に書いておきましょう。
今回のように相手と連絡が取れなくなった場合でも、自社で持っている情報で引き継ぎを進めやすくなります。
ホームページ制作会社の倒産でよくあるご質問
制作会社・管理会社が倒産したときに気になりやすい点を、Q&A形式でまとめました。
ホームページとメールがいつまで使えるか、期限が切れたドメイン、費用などについてお答えします。
制作会社が倒産したら、ホームページはすぐに消えますか
すぐに消えるとは限りませんが、更新の手続きや支払いが止まっていれば、ドメインやサーバーの期限が来た時点で表示されなくなります。
今のうちに期限を確認し、データを確保しておきましょう。
会社のメールアドレスも使えなくなりますか
メールを扱うサーバーが制作会社の契約で、その契約が切れると、メールの送受信ができなくなることがあります。
ドメインを自社で使い続けられる状態であれば、新しいサーバーで同じメールアドレスを設定し直せます。
ただし、サーバーにだけ残っていた過去のメールが自動的に戻るわけではありません。
ドメインまで失うと、同じメールアドレスは使えなくなります。
期限が切れたドメインは取り戻せますか
一定の期間内であれば、取り戻せる場合があります。
ただし、汎用JPドメイン名や .com などでは、回復の手続きはドメインを管理していた登録サービスを通じて行う仕組みです。
そのため、制作会社のアカウントで管理されていると進めにくいのが実情です。
JPドメイン名の場合、汎用・都道府県型JPドメイン名は、廃止されると翌日(翌月の1日)から1か月間「Suspended」という状態になります。
その月の1日から20日までが登録回復期間で、月が終わると登録の情報が削除され、同じ文字列のドメイン名を再び登録できるようになります。
汎用JPドメイン名について、JPRSは、登録回復の手続きは廃止された時点の管理指定事業者を通じて行うよう案内しています。
属性型(.co.jp など)は、廃止後6か月間「Deleted」という状態になります。
登録を回復できるのは、その最初の月の1日から20日までです(いずれもJPRS・2026年9月時点)。
料金が支払われない場合に、いつ廃止の手続きがとられるかは、登録サービスによって異なります。
.com などのドメイン名では、ICANNの方針により、原則として登録が削除されたあと30日間の再登録猶予期間が設けられています。
その間は、削除したレジストラ(登録サービス)を通じて復旧できるとされています(2026年9月時点)。
期限切れから削除までの扱いは、登録サービスによって異なります。
連絡が取れないだけで、倒産したかどうか分かりません。待つべきですか
担当者の体調不良や休業など、一時的な理由で連絡が取れないこともあります。
ただし、待っている間にも、ドメインの期限の確認やデータの確保は進められます。
相手の状況は手順1の方法で確かめつつ、止まると困るものから先に手を打っておくと安心です。
引き継ぎにはどれくらいの費用がかかりますか
ドメインやデータが残っているか、どのような仕組みで作られているかによって、作業の内容も費用も大きく変わります。
まずは状況を伝えて、見積もりを取ることをおすすめします。
弊社の場合、管理開始時にサーバー移転が必要なときは、別途移転作業費がかかります(HTMLベース22,000円〜/WordPressサイト33,000円〜、いずれも税込・2026年9月時点)。詳しくは弊社の料金ページをご確認ください。
個人の制作者(フリーランス)と連絡が取れない場合も同じですか
基本的な進め方は同じです。
ドメインの名義と有効期限、サーバーの契約者、データとログイン情報の順に確認してください。
相手が個人の場合は、法人番号公表サイトで状況を確かめることはできません。
連絡の記録を残しながら、期限の確認とデータの確保を先に進めましょう。
日ごろの保守管理で何をしておくとよいかは、ホームページの保守管理とはで全体像をご説明しています。
まとめ
ホームページ制作会社や管理会社が倒産しても、ホームページとメールがすぐに止まるとは限りません。
止まるのは、ドメインやサーバーの契約の期限が来たときです。
連絡が取れなくなったら、相手の状況を確かめ、ドメインの名義と有効期限、サーバーとメールの行き先を確認します。
そのうえでデータとログイン情報、Googleのアカウントの権限を確保し、名義に応じて取り戻し方を決めましょう。
作り直すかどうかは落ち着いてから判断し、契約や支払いの判断は破産管財人や弁護士にご相談ください。
管理会社と連絡が取れずお困りでしたら、株式会社リヒトスまでご相談ください。


