「ドメイン」はホームページの価値そのものです。
それだけ重要なものです。
ドメインとは 〇〇.com や ××.co.jp のようなホームページの住所のようなものです。
どんなホームページにもドメインはあります。
例えば、当社のホームページのドメインは「lichtos.co.jp」です。
ホームページのリニューアルをする際に、今までと同じドメインを使う場合の注意点を分かりやすくご説明したいと思います。
保守管理会社って、必要?
「うちのホームページでトラブルなんておこりそうにないし、保守管理会社にお願いする費用もばかにならないから、自分でやった方が安く済むのでは?」と思われている方は、是非『ホームページの保守管理会社って、必要?』の記事をご参照下さい。
目次
原則「ドメインは変更しない」
「ホームページをリニューアルするタイミングでドメインを変更しようと思うのですが・・・」と言われる方がいらっしゃいますが、ドメインはそのまま使用することをお勧めします。
理由はいくつかあるのですが、特に大きな理由を以下にご紹介したいと思います。
【理由1】検索エンジンからの集客のため
検索エンジンからの評価を維持し、集客力を落とさないために、リニューアル後も今までのドメインを使用し続けることは重要です。
ドメインパワーの維持
ドメインパワーとは、検索エンジンがそのドメインをどれだけ信頼し、評価しているかを示す総合的な力のことです。
運用歴やコンテンツの質、被リンクなどによって蓄積されます。
ドメインをそのまま使えば、この最も重要なパワーを完全に引き継ぐことができ、リニューアル後も検索順位を維持しやすくなります。
逆にドメインを変更すれば、このパワーはゼロにリセットされます。
被リンク資産の継承
被リンクというのは、他の人のサイトやSNSからあなたのサイトに貼られているリンクです。
例えば下のように青く色が変わっている部分がリンクです。
(リンク)「ホームページのリニューアルとは」
被リンク(他のサイトからのリンク)は、Googleがページの価値を判断するための非常に重要な指標です。
ドメインを維持すれば、これまでポータルサイトやブログ、SNSなどから獲得したすべての被リンクがそのまま有効に機能し続けます。
これにより、被リンクが持つSEO効果を一切損なうことなく、リニューアル後も安定した評価を期待できます。
もしドメインが変わってしまうと、せっかく他のサイトやSNSからあなたのサイトに来るはずたった人が、あなたのサイトを見ることができなくなってしまいます。
このような理由からドメインは変更せずに、そのまま使用されることをお勧めしています。
(※新規でドメインを取得される方は『知らないと怖い「ドメイン」の5つの注意点』をご参照下さい。)
ドメインエイジの評価
ドメインは長く使用していることで検索エンジンからの評価が高くなります。
長く運営しているホームページは、作ったばかりのホームページよりも評価が高いのです。
あなたのホームページが長く運営していても、ドメインを変更してしまうと新しいホームページとして認識されてしまいます。
今まで築き上げてきた検索エンジンの評価を無しにして、また一から築き上げる事になります。(100%ではありませんが、ドメインを変更しても今までの評価を引き継ぐ方法はあります)
【理由2】ビジネス・運用上のコストと手間の削減のため
リニューアル後も今までのドメインを使用し続けることは、日々の業務や顧客との関係性においてもメリットがあります。
URL・メールアドレスの継続利用
ドメインを変更する場合、一般的には新しいドメインのメールアドレスに変更します。(これは必ず変更しなければいけないということではありません)
メールアドレスを変更する場合、あなたのメールアドレスを登録している先にメールアドレス変更の通知をします。
しかし、名刺交換をしただけでその後連絡をしていない人など、今までのメールアドレスを教えた人全てに新しいメールアドレスを通知することは難しいケースもあります。
リニューアル後も今までのドメインを使用し続けることで、取引先や顧客にドメイン変更を通知する手間が省け、コミュニケーションの断絶を防ぐことができます。
印刷物や広告の変更が不要
ドメインを変更すると、名刺、パンフレット、チラシ、看板などに記載されているURLやQRコードを修正し、刷り直さなければいけません。
これは、膨大なコストと手間の削減に直結します。
顧客・取引先への負担がない
ドメインはWEB上のあなたの会社の住所です。
お客様があなたに仕事を依頼するために会社に行ったら引っ越していた、となったらどうなるでしょうか。
別の会社を探してしまうかもしれませんよね。
ドメインを変えてしまうことで、せっかくのお客様との接点をなくしてしまう可能性もあります。
ドメインを変えてもホームページの画面に変更先を通知することはできるのですが、100%新しいサイトに誘導できるとは限りません。
また、メールアドレスもドメインに紐づいていますので、久しぶりにあなたに仕事を依頼しようと思ってメールを送ったら届かなかったということになる可能性もあります。
【理由3】再設定の手間を防ぐため
リニューアル後にドメインを変更した場合、Googleアナリティクスやサーチコンソール、タグマネージャーといったアクセス解析ツールや広告効果測定ツールの再設定をする必要があります。
新たなドメインで新規に設定した場合、過去のデータとの比較が困難になります。
また、設定変更に伴う手間やミスがおこる可能性もあります。
これらの理由を総合すると、ドメインを維持することは単に「手間が省ける」というレベルの話ではないことがわかります。
ドメイン変更には、リダイレクト設定のミス、顧客への通知漏れ、印刷物の更新忘れなど、無数の失敗の可能性があります。
ドメインを維持するという選択は、これらのビジネス上の様々なリスクを根本から回避する、最も安全で確実な「リスク管理」の手法でもあるのです。
ドメイン維持と変更の比較
項目 | ドメインをそのままにする場合 | ドメインを変更する場合 |
SEO評価(ドメインパワー) | これまでの評価を完全に引き継げる | ゼロにリセットされる |
被リンク | すべての被リンク効果を維持できる | すべて無効になる(要リダイレクト設定) |
URL・メールアドレス | 変更不要で、そのまま利用可能 | すべて変更となり、再設定や通知が必要 |
名刺・パンフレット等の印刷物 | 変更不要で、そのまま利用可能 | すべて刷り直しが必要 |
顧客・取引先への影響 | 影響はほとんどない | 混乱を招き、アクセスできなくなる可能性 |
コスト | 新規取得費用や移行費用はかからない | ドメイン取得費、移行作業費、印刷物刷り直し費など高額になる |
作業工数 | 最小限で済む | リダイレクト設定、各種ツール再設定など膨大な工数がかかる |
リスク | 低い | SEO順位低下、機会損失など非常に高い |
リニューアル後のホームページのサーバー
ホームページのデータは「サーバー」と呼ばれるコンピューターに保存されています。
リニューアル後のホームページを今と同じサーバーを使用するか、別のサーバーに変更するかで注意点が変わってきます。
別のサーバーに変更する場合
今使っている会社(A社)から別の会社(B社)のサーバーに変更する場合、当社では一旦「仮想サーバー」というものを作って、そこに新しいホームページを作ります。
「仮想サーバー」というのは、当社のコンピューター内にある仮のサーバーです。
この仮のサーバーの中にホームページを作って動作などを確認しながら制作を進めます。
完成したら仮想サーバーから新しいサーバー(B社)にデータを移管します。
ホームページを今のサーバー(A社)から別のサーバー(B社)に変更する場合、「DNSサーバー」の情報の書き換えが必要になります。
ドメインには、「A社のサーバーにこのホームページの情報が保存されています」という情報が入っています。
これが「DNSサーバー」の情報です。
A社のサーバーからB社のサーバーへ変更する場合、DNSサーバーの情報を「B社のサーバーにこのホームページの情報が保存されています」と書き換えなければいけません。
この書き換えを行うと、A社のサーバーに保存されている今までのホームページは表示されなくなります。
今と同じサーバーを使用する場合
今と同じサーバーを使用する場合、「今のホームページをベースに作る」ケースと「全く新しくホームページを作る」ケースがあります。
今のホームページをベースにリニューアル
今のホームページをベースにリニューアルする場合は、今のホームページを少しづつ改良していきます。
一旦「工事中」と非公開にしてもいいですし、公開したままで少しづつ変更しても構いません。
この場合は特にサーバーの設定変更はありません。
新しくホームページを作るリニューアル
ワードプレスのサイトにするように構造から全く新しくホームページを作る場合は、一旦同じサーバーの同じドメイン内に新しいホームページを作ります。
ホームページ制作中は今までのサイトが公開されています。
新しいホームページが完成したところで、今までのサイトと切り替えをおこないます。
切り替え後は今までのサイトは表示されなくなります。
サーバーの変更に関しましては『ホームページのサーバーを変更する時の注意点』でも詳しくご説明していますので、ご参照下さい。
まとめ
いかがでしでしょうか。
今までと同じドメインを使用するというだけでも、いろいろな注意点があることがご理解いただけたのではないかと思います。
冒頭で申し上げましたように、ドメインはホームページにとって非常に重要で価値があるものです。
せっかく積み上げた価値を無駄にしないように、今まで使ってきたドメインを変更することなく使い続けることをお勧めします。