ホームページを「静的サイト」で作ってみたいと思って調べはじめると、Hugoやコマンドライン操作といった、ITに詳しい方向けの解説ばかりで戸惑った経験はないでしょうか。

専門用語が多く、自分にも作れるのか不安になる方も少なくありません。

この記事では、静的サイトの作り方を、ITに不慣れな経営者様やご担当者様にも分かりやすく解説します。

代表的な4つの作り方と制作の手順、そして見落とされがちな「作った後に必要なこと」まで、弊社リヒトスが保守管理の現場で見てきた視点も交えてお伝えします。

静的サイトとは(おさらい)

静的サイトとは、あらかじめ用意したHTMLファイルをそのまま表示する、誰が見ても同じ内容のホームページのことです。

会社案内や店舗紹介のように、内容が頻繁に変わらないサイトと相性がよいタイプです。

静的サイトは、HTML(エイチティーエムエル、Webページを構成する言語)とCSS(シーエスエス、見た目を整える言語)、必要に応じてJavaScriptや画像などで作った、あらかじめ用意したファイルを、サーバーに置いてそのまま表示する仕組みです。

アクセスに応じてサーバー側でページを生成する動的サイトと違い(動的サイトでもキャッシュなどで毎回は生成しない構成もあります)、表示が速く、セキュリティ上のリスクも比較的少ないとされています。

一方で、会員機能や、空き状況の即時反映・決済を伴う予約システムのように、利用者ごとにサーバー側の処理が必要な機能は苦手です。

静的サイトと動的サイトのどちらが自社に向くかをじっくり比較したい方は、静的サイトと動的サイトの違いもあわせてご覧ください。

静的サイトの主な作り方|4つの方法

静的サイトの作り方は、大きく4つに分けられます。それぞれ必要なスキルや費用、向いている方が異なります。

ここでは、ご自身に合った方法を選べるよう、4つの方法を順に見ていきます。

方法1|HTML・CSSを自分で書く

最も基本的なのが、HTMLとCSSを直接書いてページを作る方法です。

テキストエディタにHTML・CSS(動きをつけたい場合はJavaScriptも)を書き、ファイルをサーバーにアップロードすれば公開できます。

デザインや構造を細かく自由に作れる反面、HTML・CSSの知識が必要で、ページ数が増えるとヘッダーやフッターなど共通部分の修正に手間がかかります。

Web制作を学んだ経験がある方や、ごく小規模なサイトに向いた方法です。

方法2|静的サイトジェネレーターを使う

「静的サイトジェネレーター」とは、テンプレートと文章から、HTMLファイルをまとめて自動生成するツールです。

代表的なものに、定番のJekyll(ジキル)や、近年人気のHugo(ヒューゴ)、Astro(アストロ)などがあります。

共通部分を一括で管理でき、ページ数の多いサイトを効率よく作れるのが利点です。

ただし、多くはコマンド入力(黒い画面に文字で指示する操作)が前提のため、ITに不慣れな方には導入のハードルがやや高い傾向があります。

方法3|ノーコードツールを使う

ノーコードツールとは、プログラミングをせずに、画面上の操作でホームページを作れるサービスです。

STUDIO、Wixなどがあり、ドラッグ&ドロップで直感的にデザインできます。

テンプレートが用意されているため、専門知識がなくても見栄えのよいサイトを比較的短期間で公開できます。

ただし、作ったHTMLを書き出して任意のサーバーに設置できるとは限らず、サービス固有のホスティングやCMSの上で動く点が、HTMLファイルを自分で配置する静的サイトとは異なります。

手軽さを優先するなら有力な選択肢ですが、「純粋な静的サイト」とは仕組みがやや違う別方式である点を理解して選ぶことが大切です。

なお、料金プランや使える機能はサービスごとに異なり、無料プランでは独自ドメインの利用や広告の非表示に制限がある場合もあります。

契約前に各社公式サイトで最新の内容をご確認ください(料金・機能は2026年6月時点で、変更される場合があります)。

方法4|AIツールでHTML・CSSを生成する

近年は、AIに指示してHTML・CSSのコードを生成し、静的サイトを作る方法も広がっています。

文章で「こんなページを作りたい」と伝えるだけで、たたき台となるコードを短時間で用意できます。

手軽な一方で、生成されたコードの構造が分かりにくかったり、品質にばらつきが出たりすることがあります。

また、生成された内容の正確性も、人の目で確認することが大切です。

公開後の修正や保守を見据えて使うことをおすすめします。

静的サイト制作の基本ステップ

どの作り方を選んでも、制作の流れはおおむね共通しています。

ここでは、目的の整理から公開までを3つのステップに分けて解説します。

はじめての方は、この順番で進めると迷いにくくなります。

ステップ1|目的とページ構成を決める

まずは「何のためのサイトか」を決めることから始めます。

会社案内なのか、店舗の情報発信なのかによって、必要なページが変わります。

トップページ、会社概要、サービス紹介、お問い合わせなど、必要なページを書き出して全体像を整理しておくと、後の作業がスムーズです。

ステップ2|デザインとコンテンツを用意する

次に、各ページのデザインと中身(文章・写真)を準備します。

選んだ作り方に応じて、コードを書く、テンプレートを選ぶ、AIにたたき台を作らせる、といった形で進めます。

なお、静的サイトはサーバー側で処理を行わないため、お問い合わせフォームは外部のフォームサービスを組み合わせるのが一般的です。

フォームが必要な場合は、この段階で対応方法を決めておくと安心です。

ステップ3|ホスティング先を用意して公開する

最後に、作ったファイルをインターネット上に公開します。

公開には、ファイルを置くサーバーなどのホスティング先(ホームページの置き場所)が必要です。

レンタルサーバーを契約してアップロードする方法のほか、静的サイト向けのホスティングサービスを使う方法もあります。

独自ドメイン(○○.comなどのサイトの住所)の取得は必須ではなく、サービスから付与される無料のサブドメインで公開できる場合もありますが、会社のサイトとして信頼感を持たせるには独自ドメインの取得をおすすめします。

ノーコードツールの場合は、公開まで一括で完結するものが多いです。

業種別|静的サイトが向いているケース

静的サイトは、更新頻度が低く、情報提供が主な目的のサイトと相性がよいとされています。

ここでは、弊社が制作の現場で接することの多い業種を例に、静的サイトが活きるケースをご紹介します。

たとえば士業(税理士・社労士・行政書士など)の事務所サイトは、取扱業務や料金、アクセスといった情報が中心で、内容が頻繁には変わりません。

表示の速さで信頼感を伝えやすいケースです。

製造業・町工場では、自社の技術や設備、取引実績を紹介する会社案内型のサイトが多く、静的サイトのシンプルさが向いています。

飲食店は、メニューや営業時間を見やすく載せる用途であれば静的サイトでも十分です。

ただし、空き状況の即時反映を伴うネット予約を本格的に取り入れたい場合は、予約システム(動的な仕組み)の追加を検討します。

小売・雑貨店も、店舗やこだわりを紹介するブランディング目的なら静的サイトが合います。

一方で、ネット販売まで行う場合はECの仕組みが必要になります。

マンション管理組合のサイトは、規約や連絡事項など、限られた情報を分かりやすく掲載する用途が中心で、静的サイトと相性のよい例です。

弊社でも、こうした管理組合様のホームページを手がけております。

静的サイトを作った後に必要な「保守・運用」

静的サイトは「作って終わり」ではありません。

公開後も、安全に・最新の状態で運用し続けるための保守が必要です。

ここでは、見落とされがちな保守・運用のポイントを正直にお伝えします。

静的サイトは、CMS(コンテンツ管理システム)のような本体・プラグインの更新作業が少なく、動的サイトに比べて保守の手間は軽い傾向があります。

とはいえ、まったく不要というわけではありません。

具体的には、サーバーやドメインの契約管理、SSL/TLS(通信を暗号化する仕組み。一般にSSLと呼ばれます)証明書の有効性の確認、ファイルの改ざんへの備え、そして内容の更新作業が必要です。

なお、マネージド型のホスティングサービスでは、証明書が自動で発行・更新される場合もあります。

とくに、HTMLを直接書いて作った静的サイトは、文章や写真を差し替えるたびにコードを編集する必要があり、「自分では更新しづらい」と感じる方が少なくありません。

ご自身で対応できる範囲と、専門の制作会社に任せたほうがよい範囲を、あらかじめ線引きしておくことをおすすめします。

静的サイトの保守管理に関しましては『AIで作ったサイトの保守管理の5つの落とし穴』のページで詳しく説明していますのでご参照ください。

よくあるご質問

ここでは、静的サイトの作り方に関して、経営者様やご担当者様からよくいただくご質問にお答えします。

Q: 静的サイトは無料で作れますか?

無料のホスティングサービスやサブドメインを使えば、費用をかけずに公開することも可能です。

一方で、独自ドメインの取得・更新や、ノーコードツールの有料機能(独自ドメインの利用や広告の非表示など)を使う場合には費用がかかります。

会社のサイトとして信頼感を持たせて運用するなら、独自ドメイン代などの維持費を見込んでおくと安心です(費用は2026年6月時点の一般的な傾向です)。

Q: 静的サイトはSEOに不利ですか?

静的サイトだから検索順位が上がる・下がる、と一概には言えません。

静的サイトは高速化しやすい傾向がありますが、SEO上の効果は「静的か動的か」という構築方式そのものではなく、実際に測定された表示性能やコンテンツの質、スマートフォン対応、運用の継続性などによって決まります。

表示速度は検索順位を左右する要素の一つとされていますが、それだけで順位が決まるわけではありません。

Q: 自分で作るのと制作会社に頼むの、どちらがいいですか?

小規模で更新の少ないサイトなら、ノーコードツールなどでご自身で作る選択肢も十分にあります。

一方、デザインや信頼感を重視する場合や、公開後の保守まで含めて任せたい場合は、制作会社への依頼が向いています。

判断のヒントは、ホームページの自社制作もご参照ください。

まとめ

静的サイトの作り方には、HTML・CSSを自分で書く、静的サイトジェネレーターを使う、AIツールで生成する、という方法があります。

加えて、ノーコードツールを使えば、静的サイトに近い用途のサイトをコードなしで作ることもできます(こちらは仕組みがやや異なる別方式です)。

いずれも、目的とページ構成を決め、デザインと中身を用意し、ホスティング先を用意して公開する、という流れは共通です。

そして、静的サイトでも公開後の保守・運用は欠かせません。

ご自身でできる範囲と、専門家に任せる範囲を見極めて、無理のない形で運用していくことが、長く活用するコツです。

ホームページ制作・保守管理のご相談は、株式会社リヒトスまでお気軽にお問い合わせください。