はじめに

「クリニックのホームページを作りたいが、何を載せればよいか分からない」「医療ならではの広告のルールが心配」

開業医の先生や、医院のホームページをご担当の方から、こうしたお声をよくいただきます。

患者さんがインターネットで医療機関を探すことは、いまや当たり前になりました。

クリニックのホームページは、患者さんが来院を決める前に最初に触れる「医院の入口」とも言える存在です。

この記事では、クリニックのホームページで押さえておきたいポイントを、掲載項目・医療広告のルール・集患の工夫・公開後の運用という7つの観点から解説します。

これから制作する方も、既存サイトを見直したい方も、ぜひ参考にしてください。

クリニックのホームページが果たす役割

クリニックのホームページは、患者さんが来院前に最初に触れる情報源です。

単なる会社案内とは異なり、患者さんの来院のきっかけをつくり、受診前の不安を和らげるという役割を担います。

この2つの役割を理解しておくと、何を載せるべきかが自然と見えてきます。

集患・来院のきっかけになる

ホームページは、患者さんがクリニックを見つける入口になります。

近年は「地域名+診療科目」(例:「○○市 内科」)や、症状名で検索して受診先を探す患者さんが増えています。

こうした検索で見つけてもらえれば、これまで接点のなかった患者さんの来院につながります。

患者さんの不安を和らげ信頼を形成する

初めて受診する患者さんは、「どんな先生だろう」「院内は清潔だろうか」といった不安を抱えています。

医師やスタッフの紹介、院内の写真などを通じて雰囲気を事前に伝えることで、こうした不安が和らぎ、安心して足を運んでいただけます。

クリニックのホームページは、信頼形成の役割も担っているのです。

ホームページに掲載すべき基本コンテンツ

クリニックのホームページで最も大切なのは、患者さんが知りたい情報を過不足なく、見やすく載せることです。

デザインの美しさよりも、まずは「必要な情報にすぐたどり着けるか」を優先しましょう。

ここでは、最低限掲載しておきたい基本コンテンツを4つに分けて解説します。

診療時間・休診日・アクセス情報

患者さんが最も知りたいのは、「いつ開いているか」「どこにあるか」という基本情報です。

特に次の情報は、トップページから探しやすい位置に配置するのがおすすめです。

  • 診療時間・受付時間(曜日ごとに表形式でまとめると見やすい)
  • 休診日(年末年始やお盆などの臨時休診も含む)
  • 住所・アクセス(Googleマップの埋め込み、最寄り駅からの所要時間、駐車場の有無)

アクセス情報は、住所を文字で載せるだけでなく地図を併用すると、はじめての患者さんも迷わず来院できます。

診療科目・対応する症状・治療内容

患者さんは「自分の症状を診てもらえるか」を確認したうえで受診を決めます。

診療科目だけでなく、対応している症状や受けられる検査・治療の内容を具体的に記載しましょう。

情報をなるべく細分化し、患者さんが「自分はここで診てもらえる」と判断しやすくすることが大切です。

医師・スタッフ紹介と院内の様子

「どんな人が診てくれるのか」は、患者さんの安心感を大きく左右します。

医師の経歴・専門分野・治療方針を簡潔に紹介し、スタッフや院内の写真を掲載しましょう。

写真は明るく清潔感のあるものを用い、受付・待合室・診察室がイメージできる構成にすると、来院前の不安が和らぎます。

予約・問い合わせの導線

せっかく興味を持っていただいても、連絡方法が分かりにくいと来院につながりません。

電話番号はスマートフォンでタップすればすぐに発信できるようにし、Web予約フォームや予約システムを設けると利便性が高まります。

なお、予約システムと電子カルテを連携させると、受付スタッフの入力負担を軽減できるケースもあります。

医療広告ガイドラインで注意すべきポイント【2026年最新改正対応】

クリニックのホームページで特に注意したいのが、医療広告ガイドライン(医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針)です。

これは厚生労働省が定める、医療に関する広告のルールで、ホームページの表現も対象になります。

一般の業種よりも基準が厳しいため、知らないうちに違反してしまわないよう、基本を押さえておきましょう。

ウェブサイトも規制の対象

かつては規制の対象外だった医療機関のウェブサイトも、2017年(平成29年)の医療法改正が2018年(平成30年)6月1日に施行されて以降、医療広告として規制の対象になっています。

このガイドラインは継続的に見直されています。

直近では2026年(令和8年)3月30日に「医療広告等ガイドライン」とQ&Aが改正され、同日、「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」が公表されました。

第6版では、自由診療における限定解除要件を満たしていない事例や、SNS・動画広告の事例が拡充されています。

また、改正されたガイドライン・Q&Aには、オンライン診療受診施設に関する広告規定も反映されました。

過去に作ったホームページも、一度見直しておくと安心です。

避けるべき表現

医療広告ガイドラインでは、患者さんの誤解を招くおそれのある表現が禁止されています。

代表的なものとして、事実と異なる「虚偽広告」、他院より優れていると断定する「比較優良広告」、根拠なく効果を強調する「誇大広告」などがあります。

「絶対に安全な手術」といった表現や、適切な説明のない術前術後(ビフォーアフター)写真にも注意が必要です。

また、患者さんなどの主観や伝聞に基づく、治療内容・治療効果についての体験談は掲載できません。

表現に迷う場合は、診療内容・費用・問い合わせ先などを、事実に基づいてバランスよく記載することを心がけましょう。

専門医資格・自由診療の費用の書き方

専門医資格や自由診療は、書き方にルールがあります。

専門医を掲載する際は、「○○学会認定○○専門医」のように認定団体名を含む正式名称で記載します。

「厚生労働省が認可した専門医」といった表記は事実と異なるため使えません。

なお、すべての学会資格が広告できるわけではなく、日本専門医機構の認定資格や、経過措置により広告が認められている学会資格など、そもそも広告できる資格かどうかの確認も必要です。

広告可能な範囲は見直しが進められているため、最新の取り扱いは厚生労働省の資料でご確認ください。

自由診療について掲載する場合は、費用だけでなく、治療内容、通常必要な治療期間・回数、主なリスク・副作用も分かりやすく記載する必要があります(広告可能な事項を広げる「限定解除」の要件)。

費用は「○万円~」とだけ書くのではなく、標準的な総額や別途必要な費用(初診料・検査費など)も併記しましょう。

(出典:厚生労働省「医療広告等ガイドライン」「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」参考:医療法における病院等の広告規制について)

集患につながる設計のポイント

ホームページは、作るだけでなく「見つけてもらい、選ばれる」設計にすることで、はじめて集患の力を発揮します。ここでは、検索からの来院につなげるための2つの観点を解説します。

スマートフォン対応とMEO対策

患者さんの多くは、スマートフォンで医療機関を探します。

画面サイズに応じて表示が最適化される「レスポンシブデザイン」に対応し、スマートフォンでも見やすいホームページにすることは欠かせません。

あわせて、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)を整え、MEO(Googleマップなど地図検索での上位表示対策)に取り組むことも効果的です。

地図検索で見つけてもらいやすくなれば、近隣の患者さんの来院につながります。

SNSとの連携についてはInstagramとホームページの連携もあわせてご参照ください。

診療科の特性に合わせた見せ方

ひとくちにクリニックと言っても、診療科によって患者さんが求める情報は異なります。

たとえば小児科では、予防接種のスケジュールや感染症対策への配慮を伝えると保護者が安心します。

内科では生活習慣病や健康診断への対応、皮膚科では対応できる症状の幅、整形外科ではリハビリ設備の紹介が、来院の判断材料になります。

歯科医院であれば診療の流れや痛みへの配慮が、患者さんの安心につながります。なお、美容クリニックでは医療広告等ガイドライン、整骨院では柔道整復師法やあはき・柔整広告ガイドラインなど、それぞれの業態に応じたルールへの対応が必要です。

診療科や業態の特性を踏まえ、患者さんの知りたい情報を優先して見せることが大切です。

弊社でも、業種・分野ごとの特性に合わせたホームページを多数制作しています。

公開後の運用・保守こそ成果を左右する

ホームページは公開して終わりではありません。

むしろ、公開後の運用と保守こそが、長期的な成果を左右します。

多くの記事が制作の話で終わるなか、ここはクリニックのホームページで特に見落とされやすいポイントです。

診療時間・休診日・医師情報の最新化

ホームページの情報が古いままだと、患者さんの信頼を損なってしまいます。

「ホームページの診療時間と実際が違った」「臨時休診を知らずに来院してしまった」といったことが起きると、患者さんの不満につながります。

診療時間の変更、年末年始やお盆の休診、医師の異動などは、その都度すみやかに更新する体制を整えておきましょう。

WordPress・サーバー・SSLの保守

ホームページを安全に保つには、技術的な保守も欠かせません。

多くのホームページで使われているWordPress(無料で使えるホームページ作成・管理システム)は、セキュリティ更新が頻繁に行われます。

更新を放置すると、改ざんや情報漏えいのリスクが高まります。

あわせて、サーバー(ホームページを公開するためのコンピューター)の管理や、SSL(通信を暗号化する仕組み)の維持も必要です。これらの基礎知識はサーバーとはSSLとはでも解説しています。

こうした技術的な保守は、専門知識がないと対応が難しい場面も多くあります。

弊社の保守管理プランの詳細はサービスページをご参照ください。

ガイドライン改正への継続的な追従

医療広告ガイドラインは、これまでも繰り返し改正されてきました。

前述の2026年の改正のように、規制の内容は時代に合わせて更新されます。

公開時には問題がなかった表現が、改正によって見直しを要する場合もあります。

定期的にホームページの表現を確認し、最新のルールに合わせて見直す体制を持っておくことが、クリニックの信頼を守ることにつながります。

弊社でも、保守管理をお任せいただくことで、院長先生やスタッフの方が診療に専念できるようになった、というお声をいただいています。

保守管理を活用されているお客様の声もあわせてご覧ください。

なお、保守費用の目安や内容については制作会社の保守費用についてで詳しく解説しています。

よくあるご質問

クリニックのホームページについて、よくいただくご質問にお答えします。

Q1. ホームページは自分でも作れますか?

A. 技術的には可能ですが、医療広告ガイドラインへの対応や公開後の運用を考えると、慎重な判断をおすすめします。

近年は専門知識がなくても作れるサービスもありますが、診療科目の見せ方や規制への配慮、継続的な更新には手間がかかります。

費用感の目安はホームページ管理費の相場もご参照ください。

Q2. 既存サイトが医療広告ガイドラインに合っているか不安です。

A. 一度、最新のガイドラインに照らして見直すことをおすすめします。

特に数年前に制作したホームページは、その後の改正に対応できていない場合があります。

判断に迷う表現がある場合は、医療広告に詳しい制作会社や、各自治体の医療広告相談窓口に相談すると安心です。

Q3. 開業に間に合わせるには、いつ準備すればよいですか?

A. 制作会社に依頼する場合、公開まで数ヶ月程度かかるケースが多いため、早めの準備をおすすめします。

デザインの確認や原稿の用意、写真撮影などに時間を要します。

開業時期から逆算して、余裕を持ったスケジュールで進めるとよいでしょう。

まとめ

クリニックのホームページで押さえておきたいポイントを、7つの観点から解説しました。

(1)診療時間・アクセスなどの基本情報、(2)診療科目・治療内容、(3)医師・院内紹介、(4)予約導線、(5)医療広告ガイドラインの遵守、(6)スマホ対応・MEOなどの集患設計、(7)公開後の運用・保守——この7つを意識することで、患者さんに選ばれ、信頼されるホームページに近づきます。

特に、公開後の情報更新や規制改正への追従は、クリニックの信頼を長く守るうえで欠かせません。

クリニックのホームページ制作・保守管理のご相談は、株式会社リヒトスまでお気軽にお問い合わせください。