はじめに

「自社のBtoBサイトを作り直してほしい」「問い合わせや資料請求につながるサイトにしたい」。社内でこうした役目を任されたものの、何から決めればよいか迷われているご担当者様も多いのではないでしょうか。BtoB(企業間取引)のサイトは、見た目を整えるだけでは成果につながりにくいものです。目的やページの組み立て、問い合わせの受け方まで考えて作る必要があります。

この記事では、BtoBサイト制作の進め方を、目的の決め方、必要なページ、問い合わせにつながる導線、業態ごとの重点の順に整理します。後半では、制作会社の選び方、費用と期間の目安、公開後の運用までをご紹介します。社内で説明するときの材料としてもお使いください。

BtoBサイトとは|BtoCのサイトとの違い

BtoBサイトとは、企業や団体を顧客とする会社が、製品やサービスを伝え、商談のきっかけをつくるためのWebサイトです。問い合わせや資料請求を受ける窓口の役割も担います。一般の消費者に向けたBtoCのサイトとは、見る人も検討の進み方も違います。まずはその違いを押さえておきましょう。

見る人が複数いて、検討に時間がかかる

BtoBの取引では、1つの会社の中で複数の人が同じサイトを見ることがよくあります。最初に情報を集める担当者、仕様や使い勝手を確かめる現場の方、費用と効果を判断する上長や決裁者などです。それぞれが確かめたいことは違います。

また、問い合わせの前に複数の会社を比べ、社内で稟議(上長の承認を得る手続き)を通すことが多くあります。担当者は、比べるための材料や社内で説明するための情報を探して、同じサイトを何度も訪れます。

そのため、BtoBサイトでは、その場で申し込んでもらう仕掛けよりも、比べて社内で説明できるだけの情報を整えておくことが求められます。

BtoBサイトの主な種類と、中小企業での始め方

BtoB企業のサイトには、目的に応じていくつかの種類があります。主なものを表にまとめます。

種類主な役割主に見る人
コーポレートサイト会社の概要、事業、信頼性を伝える取引先、決裁者、求職者
サービスサイト(製品サイト)特定の製品・サービスの内容と導入の流れを伝え、問い合わせを受ける導入を検討する担当者
採用サイト仕事の内容や職場の様子を伝え、応募を受ける求職者
記事のページ(オウンドメディア)業務の悩みに役立つ情報を発信し、検索からの入口をつくる情報を集めている段階の担当者
LP(ランディングページ)広告や展示会から来た人に、1ページで1つの行動を促す広告などから訪れた人

社員数の少ない会社が最初から種類ごとにサイトを分けると、作るのも更新するのも負担が大きくなります。まずはコーポレートサイトの中に製品・サービスや採用のページを設けて始め、必要に応じて分けていく進め方が現実的です。

LPを使う場面は、LP(ランディングページ)とホームページの違いでご紹介しています。なお、取引先からの注文をネット上で受けるBtoB向けのECサイトは、注文や決済の仕組みづくりが中心になるため、この記事では扱いません。

BtoBサイトの目的と目標を決める

BtoBサイト制作で最初に決めるのは、サイトに何をしてほしいかという目的と、どこまで達成したいかという目標です。ここが曖昧なまま進めると、必要なページや問い合わせの入口が決まらず、制作会社の提案も比べにくくなります。社内の関係者と共有できる形で整理しておきましょう。

目的は「商談のきっかけ」を中心に、優先順位をつける

BtoBサイトの目的は、会社によって次のように分かれます。

  • 新しい取引先からの問い合わせ・資料請求を増やす
  • 取引を検討している会社に、信頼できる会社だと確かめてもらう
  • 採用への応募を増やす
  • 代理店や協業の相手を見つける

すべてを同じ重さで追うと、どのページも中途半端になりがちです。今いちばん困っていることから順位をつけ、トップページや問い合わせの入口に反映しましょう。優先順位のつけ方を含めた目的の決め方は、ホームページの目的の決め方でご紹介しています。

目標は営業の数字から逆算する

目標は「問い合わせを増やす」のような言葉ではなく、数字で決めておくと、公開後に良し悪しを判断できます。目安になるのは、営業の部門がふだん使っている数字です。

たとえば、サイトから月に2件の商談を生みたいとします。問い合わせのうち商談に進むのが半分程度なら、必要な問い合わせは月に4件です(数字は説明のための例です)。このように逆算すると、どのくらいの人にサイトを見てもらう必要があるかも考えやすくなります。

件数だけでなく、問い合わせの中身も目標に含めておきましょう。対象外の業種からの問い合わせや営業のご案内ばかりでは、件数が増えても商談にはつながりません。

依頼前に、社内で整理しておく6つのこと

制作会社に相談する前に、次の6つを社内でまとめておくと、打ち合わせが早く進みます。複数の会社に同じ資料を渡せば、提案や見積もりを同じ条件で比べることもできます。

項目整理しておく内容の例
目的と目標優先する目的、月あたりの問い合わせ件数の目安
見てほしい相手業種、会社の規模、担当者の部署や役職
載せる製品・サービス主な製品・サービス、特に力を入れたいもの
社内の担当と更新窓口になる人、公開後に更新する人と頻度
予算の幅制作費と、公開後の月額費用の上限
公開の希望時期と理由展示会、新サービスの発表、決算期など

この表は、上長への説明や稟議の資料の土台にもなります。決めきれない項目は「未定」と書き、制作会社と相談しながら決めていきましょう。

BtoBサイトに必要なページ|最初に作るページと後から足すページ

BtoBサイトに必要なページは、見る人が比較や社内の説明に使う情報から決めます。中心になるページは多くの会社で共通していますが、すべてを最初からそろえる必要はありません。ここでは主なページの役割と載せたい内容をご紹介し、作る時期を表にまとめます。

トップページ

トップページでは、「誰の、どんな課題を解決する会社か」が最初の画面で分かるようにします。会社の理念や抽象的なキャッチコピーだけでは、自社に関係があるかを判断できません。

そのうえで、主な製品・サービス、導入事例、問い合わせへの入口を並べます。見る人が次に進むページを迷わない構成にしましょう。

製品・サービスの紹介

製品・サービスのページは、BtoBサイトの中心です。機能や仕様を並べる前に、どんな課題を持つ会社に向いているか、導入するとどう変わるかを書きます。

そのうえで、仕様、対応できる範囲、導入までの期間などの条件を具体的に示します。対応できないことや前提条件も書いておくと、合わない問い合わせが減り、検討する側も判断しやすくなります。

提案資料やカタログのPDFは、ダウンロード用に置くだけでなく、要点をページの本文にも書いておきましょう。PDFを開かなくても内容が伝わり、本文の途中にも相談の入口を置けます。

導入事例・実績

導入事例は、検討している会社が「自社でもうまくいきそうか」を判断する材料です。業種、会社の規模、導入前の課題、選んだ理由、導入後の変化をそろえて書くと、似た立場の会社が自社に当てはめやすくなります。

事例に取引先の社名やロゴを出す場合は、事前に相手先の了承を得ましょう。了承が得られない場合は、「関西の部品メーカー様(従業員50名)」のように、業種と規模で表す方法もあります。

選ばれる理由・体制

他社と比べられることを前提に、自社を選ぶ理由を整理したページです。実績の件数、取得している認証、担当の体制、対応の早さなど、根拠を示せる内容を中心に書きます。

「業界No.1」「最高品質」のような表現は、根拠を示せない限り使わないようにしましょう。検討する側は、根拠のない言葉をそのまま社内の資料に書けません。かえって信頼を損ねるおそれもあります。

料金の目安と導入の流れ

料金は、検討の早い段階で確かめたい情報のひとつです。プランが決まっている場合は、プランごとの料金と含まれる内容を表にまとめます。

案件ごとに見積もりが必要な場合でも、料金を左右する条件、見積もりまでの流れ、目安となる期間は書けます。料金のページから直接相談できる入口も置いておきましょう。

導入の流れは、問い合わせから契約、利用の開始までを順に示します。検討する側が、社内の段取りを考えやすくなります。

会社情報・お知らせ

会社情報は、稟議の段階で決裁者が確かめることの多いページです。所在地や設立年、資本金、従業員数のほか、沿革、代表者のあいさつ、了承を得た主な取引先などを載せます。取引先から信頼されるために載せたい情報は、信頼されるホームページの作り方で詳しく解説しています。

お知らせは、更新が止まると活動していない会社に見えることがあります。新サービス、展示会への出展、長期休業の案内など、無理なく続けられる内容から始めましょう。

よくある質問・資料ダウンロード

よくある質問は、営業の場でいつも聞かれる質問から作ると、問い合わせの前の不安を減らせます。契約期間、対応地域、サポートの範囲などがよく挙がる質問です。

資料ダウンロードは、すぐには相談しない段階の担当者と接点をつくる入口です。ただし、最初から専用の資料を作る必要はありません。営業で使っている会社案内や製品資料を整えて載せるところから始められます。

ここまでのページを、作る時期とあわせて表にまとめます。

ページ主に見る人載せる内容作る時期
トップページすべての人誰のどんな課題を解決するか、主な入口最初に作る
製品・サービス担当者、現場の方向いている会社、仕様、対応範囲、期間最初に作る
料金の目安・導入の流れ担当者、決裁者料金を左右する条件、流れ、期間最初に作る
会社情報決裁者所在地、沿革、従業員数、取引先最初に作る
問い合わせすべての人種類ごとの入口、電話、受付時間最初に作る
導入事例担当者、決裁者業種・規模、課題、選んだ理由、変化了承を得たものから足す
選ばれる理由・体制担当者、決裁者実績の件数、認証、体制根拠がそろったものから足す
よくある質問担当者営業でよく聞かれる質問と回答公開後に足していく
資料ダウンロード情報を集めている段階の担当者会社案内、製品資料資料が整ったら足す
お知らせ・記事すべての人新サービス、展示会、業務に役立つ情報公開後に続けて足す

問い合わせにつながる導線の作り方

導線とは、サイトを見た人が問い合わせや資料請求までたどり着く道筋のことです。BtoBサイトでは、検討の段階によって取りたい行動が違うため、入口を1つにまとめるだけでは取りこぼしが生まれます。ここでは、入口の置き方と、問い合わせを受けたあとの社内の流れまでを整理します。

「相談する」と「資料・事例を見る」の2段の入口を用意する

比較の終盤にいる人は、見積もりや相談をすぐに申し込みたいと考えます。一方、情報を集め始めたばかりの人にとって、いきなり相談するのは負担が大きいものです。

そこで、「相談する・見積もりを依頼する」入口と、「資料を見る・事例を見る」入口の2段を用意します。CTA(行動を促すボタンやリンク)は画面の上部に置くほか、検討が進んだ場面にも置きましょう。製品・サービスのページの最後や、料金・事例の直後などです。

ただし、入口の種類を増やしすぎると、どれを選べばよいか迷わせてしまいます。まずは2種類程度から始め、公開後の反応を見て調整しましょう。

問い合わせの種類ごとに入口と入力項目を分ける

BtoBサイトには、見積もりや導入の相談のほかにも、さまざまな問い合わせが届きます。代表的なのは次のようなものです。

  • 見積もり・導入の相談
  • 資料請求
  • 協業・代理店の相談
  • 採用への応募・質問
  • 自社に向けた営業のご案内

フォームに「ご相談の種類」を選ぶ欄を設けると、受け取った側が担当者に振り分けやすくなります。営業のご案内は別の窓口に分けておくと、本来の問い合わせが埋もれにくくなります。

入力項目は、最初の返信に必要なものだけに絞りましょう。会社名、氏名、連絡先、ご相談の内容があれば、詳しいことは返信のやり取りで聞けます。製造業の図面の受け取り方のように、業種によって加えたい項目もあります。

電話・メールの受け先と、返信までの流れを決める

問い合わせが届いても、誰も気づかなければ商談にはつながりません。フォームの通知を誰のメールアドレスに届けるか、担当者が不在のときは誰が見るかを、公開の前に決めておきます。

あわせて、「2営業日以内にご返信します」のような返信の目安をフォームの近くに書いておくと、送った側も安心して待てます。受け付けた問い合わせを営業の担当者に引き渡す方法と、どこに記録を残すかも決めておきましょう。

電話での問い合わせが多い場合は、電話番号と受付時間をフォームと並べて載せます。

迷惑メールの対策と、公開前の送信テスト

フォームを公開すると、機械的に送られてくる迷惑メールが混じるようになることがあります。通知のメールが迷惑メールで埋まると、商談につながる問い合わせを見落としかねません。

よく使われるのは、reCAPTCHA(スパム対策の認証システム、Google提供)のように、機械的な送信を見分ける仕組みです。設置の流れは、reCAPTCHA v3をフォームに設置する手順でご紹介しています。公開の前には実際にフォームから送信し、通知が届くか、自動返信の文面が正しいかを確かめましょう。

業態ごとに変わるBtoBサイトの重点

BtoBとひとくちに言っても、業態によって、見る人が確かめたいことは違います。ここでは5つの業態を例に、どのページに力を入れるとよいかをご紹介します。自社に近い業態を参考に、必要なページの優先順位を考えてみてください。

製造業・メーカー

製造業では、対応できる加工や製品の条件、設備、品質の体制が判断の材料になります。図面を添えた見積もりの依頼を受ける入口や、工場の写真も大切です。製造業ならではのページや問い合わせの受け方は、製造業のホームページ制作の進め方で詳しく解説しています。

IT・SaaS・システム開発

ITサービスやシステム開発では、機能の一覧よりも先に、どんな業務の課題をどう解決するかを伝えます。料金プラン、導入までの流れ、ほかのシステムとの連携、セキュリティへの取り組みも、検討の段階でよく確かめられる情報です。

デモや無料で試せる期間がある場合は、その申し込みを相談とは別の入口として用意しておくと、検討を進めてもらいやすくなります。

士業・コンサルティング

企業を顧客とする士業やコンサルティングでは、専門分野と担当者の人柄が選ぶ理由になります。対応できる業務の範囲、担当者の経歴や顔写真、相談から契約までの流れを載せましょう。

事例は守秘義務に配慮し、業種や規模、課題と対応の要点を、相手先が特定されない書き方でまとめます。

建設・設備工事

建設や設備工事では、保有している許可、施工事例、工事の流れ、対応できるエリアが判断の材料になります。

弊社が制作した株式会社キョウテック様のコーポレートサイトも、その一例です。大阪市大正区で解体工事を手がける同社のサイトには、「選ばれる理由」「工事の流れ」のページを設けました。初めて訪れる方にも、会社の強みと安心感が伝わるようにした構成です。比較の段階で見られる情報を独立したページとして用意した例として、株式会社キョウテック様の制作実績をご覧ください。

法人・団体と個人の両方を相手にする事業

商社・卸や、教育・スポーツの支援などでは、法人や団体と個人の両方が顧客になることがあります。この場合は、見る人の立場ごとに入口や悩みの見せ方を分けると、目的の情報にたどり着きやすくなります。

奈良市でジュニアアスリートの身体づくりを支援する株式会社Feプロ様のサイトでは、監督・指導者向けと保護者向けに、お悩みを分けて示しました。立場ごとに入口を分けた例として、株式会社Feプロ様の制作実績もご覧ください。

BtoBサイト制作会社の選び方と、依頼先の種類

BtoBサイト制作の依頼先は、制作会社だけではありません。マーケティングの支援会社やテンプレート型のサービス、自社で作る方法もあり、任せられる範囲や費用、公開後の体制が違います。ここでは依頼先の種類を比べたうえで、制作会社を選ぶときに確かめたいことをご紹介します。

依頼先の種類と、向いている会社

主な依頼先は、次の5つです。まず表で違いを比べ、そのあとで補足します。

依頼先得意なこと注意したい点向いている会社
BtoBに特化した制作会社検討の流れを踏まえた設計、原稿、記事や資料の制作対象とする案件の規模は会社ごとに違う。中〜大規模向けの会社では費用と期間がかかりやすい戦略からまとめて任せたい
業種を問わない制作会社打ち合わせのしやすさ、公開後の保守の相談BtoBの実績と提案の深さに差がある近くで相談しながら進めたい、公開後も同じ窓口に頼みたい
マーケティング支援会社・広告代理店広告・検索からの集客、見込み客の育成制作を提携先が担う場合がある。集客の支援を続けて頼む場合は月額の費用がかかる集客の施策まで任せたい
テンプレート型・月額制のサービス初期費用を抑えた早い公開独自のページを足せるか、契約期間、解約時の引き継ぎまず基本の情報を早く載せたい
自社で作る外注の費用がかからない原稿・写真・更新は社内の作業。安全対策の分担はサービスごとに違う社内にWebの操作に慣れた方がいる

※並び順は優劣を示すものではありません。どこが合うかは、社内で原稿や更新を担える人がいるかと、集客までを任せたいかで変わります。

BtoBに特化した制作会社には、戦略の立案から記事や資料の制作まで、まとめて頼めることがあります。対象とする案件の規模は会社によって違い、中〜大規模の案件を主に扱う会社では、費用と期間がかかりやすくなります。各社が示している料金や期間の目安で、自社の規模に合うかを確かめましょう。

業種を問わない制作会社は、地域の制作会社など、業種を限らずにサイトを手がける会社です。対面で打ち合わせをしやすく、公開後の保守まで同じ窓口に頼める点が選ばれる理由になることがあります。一方で、BtoBのサイトの実績や提案の深さには、会社ごとに差があります。弊社リヒトスは、この業種を問わない制作会社に入ります。

マーケティング支援会社や広告代理店では、制作そのものを提携先の制作会社が担う場合があります。テンプレート型のサービスでは、独自のページを足せるか、解約時にデータを引き継げるかを先に確かめておきましょう。

BtoBに特化した会社でないといけないのか

「BtoBサイトは、BtoBに特化した制作会社に頼むべきか」と迷われる方も少なくありません。特化した会社には、BtoBの検討の流れや、問い合わせにつながりやすい構成についての知見があります。

一方で、特化しているかどうかだけで決める必要はありません。確かめたいのは、次の3点です。

  • 自社に近い業種や規模のサイトを手がけた実績があるか
  • 目的と目標を踏まえた提案をしてくれるか
  • 公開後の更新や改善を、どこまで支えてくれるか

特化した会社に頼む場合でも、確かめる点は変わりません。

見積もりを比べる前に確かめたい7つのこと

BtoBサイト制作会社の候補が決まったら、各社に同じ質問をして比べましょう。次の7つを見積もりの前に確かめておくと、金額の差がどこから来ているのかが分かります。依頼したつもりの作業が契約の範囲外だった、という行き違いも防げます。

1. 目的と目標を踏まえた提案があるか

デザインの見本だけでなく、目的と目標に対して、どのページで何を伝え、どこに入口を置くかの提案があるかを見ます。整理表を渡して、どう読み取ってくれたかを聞くのも一つの方法です。

2. 原稿・事例の取材・写真を誰が担うか

BtoBサイトで特に手間がかかるのが、製品・サービスの説明と導入事例の原稿です。営業や現場への聞き取りから制作会社が書くのか、社内で用意した原稿を整えてもらうのかで、ご担当者の手間と見積もりの金額が変わります。事例の取材や撮影が含まれるかも確かめましょう。

3. 事例や製品を社内で追加できる作りか

導入事例やお知らせは、公開後も増えていく情報です。社内で事例を足していくなら、専門知識がなくても管理画面から更新できるCMS(コンテンツ管理システム)で作るのが一般的です。事例を決まった形で追加できる入力欄を用意できるかも確かめます。

4. 問い合わせフォームと通知の仕様

ご相談の種類の選択、資料請求のフォーム、迷惑メールの対策、通知先のメールアドレスの設定に対応できるかを確かめます。

5. ドメイン・サーバーの名義とログイン情報

○○.co.jpのようなサイトの住所をドメイン、サイトを公開するためのコンピューターをサーバーといいます。それぞれを自社と制作会社のどちらの名義で契約するか、管理画面のログイン情報を社内でも持てるかを確かめましょう。

制作会社の名義で契約されていると、将来ほかの会社に切り替える際に、元の会社の手続きを待たなければならない場合があります。名義のほかに気をつけたい点は、ドメインを取得するときの注意点で解説しています。

6. 公開後の保守・改善の範囲と月額費用

サイトは公開してからも、システムの更新やバックアップ、不具合の対応といった作業が続きます。保守管理に含まれる作業と、問い合わせを増やすための改善の相談にどこまで応じてもらえるか、月額の費用はいくらかを確かめます。保守管理でどこまでの作業を頼めるのかは、保守管理とは何をするのかにまとめています。

7. 見積もりの内訳と、追加費用がかかる条件

ページ数、原稿、撮影、CMSの設定などが、見積もりのどの項目に含まれているかを確かめます。ページの追加や修正の回数が決められている場合は、その範囲を超えたときの費用も聞いておきましょう。

BtoBサイト制作の費用と期間の目安

BtoBサイト制作の費用は、サイトの規模や原稿・撮影の範囲、公開後の支援の有無によって大きく変わります。金額の幅だけを見るのではなく、何によって費用が変わるかを知っておくと、見積もりを比べやすくなります。ここでは、費用を左右する要素と第三者の調査、期間の目安をご紹介します。

費用を左右する要素

BtoBサイトにかかる費用は、主に次の要素で変わります。

  1. ページの数:製品・サービスごとにページを分けるほど、ページの数が増えます
  2. デザイン:決まった型を使うか、オリジナルで作るかで、デザインの作業量が変わります
  3. 原稿・取材・撮影:製品の説明や事例の原稿を制作会社が書く場合や、取材・撮影を頼む場合に費用が加わります
  4. 機能:資料請求のフォーム、事例の検索、会員向けのページなどを加えると、作業が増えます
  5. 記事の制作:公開後も記事の制作を続けて依頼する場合は、制作費とは別に月額の費用がかかります

見積もりの金額が大きく違うときは、5つの要素のどれを含めているかが会社ごとに異なっている場合があります。項目ごとの内訳を出してもらうと比べやすくなります。

第三者の調査に見る費用の目安

費用の目安として、制作会社の紹介サービスを運営するWeb幹事が公表している、コーポレートサイトの発注金額のデータがあります。平均は95.6万円、中央値は50.0万円で、発注の50%が50万円以下でした。同社記事の更新日は2026年8月18日です(2026年10月16日確認)。

グラフに付いた注記では、データの元は同社経由のWebサイト制作の発注金額(2019年6月〜2024年4月)とされています。BtoB企業に限った集計ではなく、件数も示されていません。一部の高額な案件があると平均は引き上げられるため、真ん中の値である中央値もあわせて見ておきましょう。

初期費用と月額費用を分けて考える

サイトの制作にかかる初期費用とは別に、公開後は毎月の費用がかかります。主なものは、サーバーとドメインの利用料、保守管理、更新の代行です。サーバー代などが保守の料金に入っているかは会社ごとに違うため、見積もりの段階で内訳を聞いておきましょう。

月々の保守費用の目安は、保守費用の相場と、料金に含まれない作業で解説しています。

期間の目安と、逆算の起点

期間を大きく左右するのは、ページの数と、原稿や事例をそろえるまでの時間、社内の確認の回数です。弊社の場合、一般的なコーポレートサイトであれば、打ち合わせを始めてから公開まで約2〜3か月が目安です(2026年10月16日時点)。

新サービスの発表や展示会など、公開日を合わせたい予定があるときは、その日から逆算して相談を始める時期を決めましょう。弊社の制作の進め方はホームページ制作のご案内で、料金は料金のページでご確認いただけます。

BtoBサイト制作の進め方|公開後の運用まで

BtoBサイト制作は、社内の整理から始まり、公開後の改善まで続きます。ここでは5つの段階に分けて、それぞれで決めておきたいことをご紹介します。特に、事例の準備と社内の確認は時間がかかりやすいため、早めに手をつけておきましょう。

1. 社内の整理と依頼先の選定

前半でご紹介した整理表をもとに、目的と目標、見てほしい相手、予算と時期を社内で共有します。そのうえで依頼先の候補を選び、同じ資料を渡して提案と見積もりを比べます。

決裁者がいる場合は、この段階で目的と予算の幅について了解を得ておくと、あとで方針が覆りにくくなります。

2. 構成・原稿・事例の準備

依頼先が決まったら、ページの構成と、それぞれに載せる内容を決めます。製品・サービスの原稿は、営業や現場の担当者への聞き取りから作ると、検討する側が知りたいことに沿った内容にしやすくなります。

導入事例は、取引先への取材の依頼と掲載の了承に時間がかかります。構成が決まりしだい、取引先への相談を始めましょう。社内で原稿を確認する人と、確認の期限も決めておきます。

3. デザイン・構築と社内確認

デザインの案ができたら、担当者だけでなく、決裁者にも早めに見てもらいます。最後の段階で方向性が変わると、作り直しの手間と費用がかかるためです。

確認の際は、デザインの好みだけでなく、目的に合った構成になっているか、問い合わせの入口が分かりやすいかも見てください。

4. 公開前の確認

導線の章でご紹介したフォームの送信テストに加えて、スマートフォンでの見え方、リンク切れ、誤字も確認しましょう。

あわせて、問い合わせの送信完了などを、GA4(Googleアナリティクス4)の「キーイベント」に設定しておきます。キーイベントは、ビジネスの成果にとって特に重要な操作を測るためのイベントで、公開後の効果を確かめる土台になります。検索での表示状況を見るGoogle Search Consoleも、公開に合わせて設定しましょう。

5. 公開後の更新・保守と改善

公開後は、導入事例やお知らせを足し、よくある質問を増やしていきます。更新の担当者と頻度を決めておくと、更新が止まりにくくなります。システムの更新やバックアップなどの保守を誰が担うかも、公開の時点で決めておきましょう。

BtoBサイトは、公開してすぐに成果が出るとは限りません。中村社労士事務所様は、企業からの相談を受ける社会保険労務士の事務所で、弊社が保守管理をお引き受けしています。弊社の保守管理の対応についてご感想をお聞きした際には、次のようなご回答をいただきました。

まだまだHPからの受注そのものは思ったように成果を出せていませんが、今年はしっかり結果を出して行きたいと思っておりますので、引き続き一緒に頑張って頂けると助かります。

サイトからの受注は、公開後に問い合わせの数や中身を見ながら、ページや入口を見直して育てていくものです。数か月ごとに、問い合わせの件数と、よく見られているページを確かめる機会を設けましょう。ほかのご質問への回答も含めて、中村社労士事務所様のお客様の声に掲載しています。

今のBtoBサイトを作り直す場合

すでにBtoBサイトがある場合の作り直し(リニューアル)では、新しく作るときにはない確認が加わります。これまで検索から集めてきた評価を落とさないことと、前の制作会社との契約を整理することが必要になるためです。ここでは要点だけを取り上げ、詳しい進め方は別の記事に任せます。

作り直しを考えるきっかけとしてよく挙がるのは、問い合わせがほとんど来ない、社内で更新できない、といった悩みです。事業の内容が変わり、サイトと合わなくなったという場合もあります。どれが理由かによって、デザインを変えるのか、ページの構成から見直すのかが変わります。

作り直す前には、今のサイトで検索から見られているページと、そのURL(ページの住所)を確かめておきましょう。URLが変わるページは、古いURLにアクセスした人を新しいURLへ自動で案内するリダイレクトの設定をしておきます。あわせて、ドメインとサーバーの名義、前の制作会社との契約の内容も確認します。

作り直しの段取りや費用の考え方は、ホームページのリニューアルの全体像で詳しく解説しています。

よくある質問

BtoBサイト制作について、ご担当者様からよくいただくご質問に5つお答えします。サイトの分け方、社内の体制、資料請求、AI検索、自社での制作と、依頼の前に社内で話題になりやすい点を選びました。回答は要点にしぼり、詳しい説明は本文の各章に任せています。

Q: BtoBサイトとコーポレートサイトは、分けて作るべきですか?

必ずしも分ける必要はありません。製品・サービスが少ない会社では、コーポレートサイトの中に製品・サービスのページを設けるほうが、作る手間も更新の手間も抑えられます。

製品・サービスごとに見る人が大きく違う場合や、広告で集客したい製品がある場合は、サービスサイトやLPを別に作ることを検討しましょう。

Q: 社内に、更新や記事を書く人がいない場合はどうすればいいですか?

最初は更新が少なくても成り立つページから作り、事例やお知らせは無理なく続けられる頻度で足していく方法があります。原稿の作成や更新の代行を、制作会社にどこまで頼めるかも、依頼の前に確かめておきましょう。

社内では窓口になる方を1人決め、事例の候補や社内の確認を取りまとめてもらうと、外部に頼む場合でも進めやすくなります。

Q: 資料請求(ホワイトペーパー)は、最初から必要ですか?

最初から必須ではありません。ホワイトペーパーは業務に役立つ情報をまとめた資料で、情報を集めている段階の担当者と接点をつくる入口になります。

まずは営業で使っている会社案内や製品資料を整え、資料請求の入口として載せるところから始められます。公開後に、どんな資料が求められているかを見ながら増やしていきましょう。

Q: AI検索への対策は必要ですか?

Googleの案内では、検索結果の「AI による概要」や「AI モード」に載るために、追加で満たす要件や特別な最適化はありません。これまでのSEO(検索エンジン最適化)の基本が、AI 機能でもそのまま有効だとしています。

(出典:Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」2025年12月31日更新、2026年10月16日確認)

また、Search Consoleでは、生成AI機能での表示状況を確かめられるレポートが使えます。2026年8月31日から、すべてのサイトが対象になりました。ただし、生成AI機能での表示回数が少ないサイトでは、データが表示されないことがあります。

生成AI機能からサイトを除外する設定もあり、除外すると、これらの機能からの表示や流入はなくなります。この設定は、それ以外の検索結果の順位には使われないとされています。

(出典:Google「New opportunities, control and insights for website owners」、Search Console ヘルプ「生成 AI パフォーマンス レポート(検索)」「検索の生成 AI 設定」。いずれも2026年10月16日確認)

BtoBサイトでは、製品・サービスの条件や事例、料金の考え方を、検討する人が判断に使える形で具体的に書くことが基本になります。

Q: 制作会社に頼まず、自社で作ることはできますか?

できます。ホームページ作成サービスを使えば外注の費用はかからず、主な出費はサービスの利用料やドメインの費用です。

その代わり、原稿づくりから事例の取材、写真の用意、公開後の更新までが社内の作業になります。ログイン情報や編集できる人の管理は社内で行い、安全対策をどこが担うかは、使うサービスの案内で確かめておきましょう。

まとめ

BtoBサイト制作は、目的と目標を決め、見る人が比較や社内の説明に使う情報からページを組み立てるところから始まります。問い合わせの入口と、受けたあとの流れまで整えておくと、サイトが商談のきっかけを生みやすくなります。押さえておきたいポイントは、次の6つです。

  • BtoBサイトは、複数の人が比べて、社内で説明するための情報をそろえる場です
  • 目的に優先順位をつけ、目標は営業の数字から逆算します。依頼の前に、6つのことを社内で整理しておきます
  • ページは、トップ、製品・サービス、料金の目安、会社情報、問い合わせから作り、事例やよくある質問をあとから足していきます
  • 問い合わせは2段の入口を用意し、種類ごとの受け方と返信までの流れを決めておきます
  • 依頼先には5つの種類があります。特化しているかどうかより、実績・提案・公開後の体制を、見積もりの前に7つの点で確かめます
  • 公開後は更新と保守を続けながら、問い合わせの数と中身を見て改善していきます

BtoBサイト制作のご相談は、株式会社リヒトスまでお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

当社ではホームページの制作と管理をおこなっています。

ホームページの管理費は月額換算で3,300円からです(年払い税込39,600円から)。

ホームページの管理をさせて頂いているお客様には、ブログ記事の書き方に関するご相談なども受けております。

これから作るホームページの制作、現在お持ちのホームページのリニューアルや保守管理に関してなど、ホームページに関することはなんでもお気軽にご相談ください。