「カテゴリを階層的に整理しましょう」と言われても、「カテゴリ?階層的?って、どうゆうこと?」と思われる方も多いのではないかと思います。
この「カテゴリを階層的に整理する」ことは、ホームページで集客をするために非常に大切な作業なのです。
本記事では、「カテゴリを階層的に整理する」とはどのようなことで、何故重要なのかを分かりやすくご説明します。
ホームページの情報をカテゴリやトピックごとに階層的に整理することは、ユーザビリティとSEO(検索エンジン最適化)の両面で非常に重要になりますので、是非お読みいただければと思います。
目次
具体的な階層構造の例
まずは、「カテゴリを階層的に整理する」とはどのようなことなのかを具体例を使ってご説明します。
例えば、工務店のホームページの場合、以下のような階層構造が考えられます。
- ホームページ(工務店のホームページ)
- カテゴリーページ(例:「部屋の用途」「構造・材質」「ライフスタイル」など)
- サブカテゴリーページ(例:「部屋の用途」の中に「リビング」「キッチン」「クローゼット」など)
- カテゴリーページ(例:「部屋の用途」「構造・材質」「ライフスタイル」など)
このように、一般的なトピックから具体的なサブトピックへと階層を深めることが「カテゴリを階層的に整理する」ことです。
これによって、ユーザーと検索エンジンの両方にとって利便性が高まります。
今お読みいただいているサイトのカテゴリは以下のようになっています。
この記事は「集客できるホームページ」というカテゴリの中の「ホームページの構造」というサブカテゴリに属しています。
ユーザーにとってのメリット
ウェブサイトを階層的に整理することで、ユーザーが目的の情報に迅速かつ容易にアクセスできるようになります。
具体的には以下の点が挙げられます。
【メリット1】サイト全体の構造を理解しやすくなる
コンテンツをカテゴリごとに階層的に整理すると、サイト全体の構造を理解しやすくなる理由は、人間の情報処理の仕組みに関係しています。
私たちは、複雑な情報を理解しようとするとき、それを小さなまとまりに分解して整理することで理解を深めます。
階層構造はまさにこの「整理」の役割を果たし、ウェブサイト全体を俯瞰的に捉えやすくします。
全体を捉えることで、ユーザーはサイト内で迷子になることなく、快適に情報を探すことができるようになります。
さらに、階層構造はウェブサイトのナビゲーションを設計する上でも重要な役割を果たします。
ヘッダーメニューやパンくずリストなど、サイト内のナビゲーション要素は、階層構造を反映して作られることが多く、ユーザーが現在地を把握し、他のページに移動する際の道標となります。
コンテンツをカテゴリごとに階層的に整理することは、具体的には、以下のような効果があります。
全体像の把握
階層構造は、サイトマップのようにウェブサイトの構成を視覚的に表現します。
これにより、ユーザーはサイト全体にどのような情報があるのか、各ページがどのような関係性を持っているのかを容易に理解できます。
情報へのアクセス
階層構造は、情報の分類を明確化します。
ユーザーは、自分が探している情報がどのカテゴリに属しているのかを考え、そのカテゴリに沿って目的のページにたどり着くことができます。
まるで図書館で本を探すように、大きな分類から徐々に絞り込んでいくイメージです。
関連性の理解
階層構造は、関連する情報を近くに配置することを促します。
例えば、「犬」というカテゴリの下に「犬種」「飼育方法」「しつけ」などのサブカテゴリを置くことで、ユーザーは犬に関する情報を体系的に理解することができます。
【メリット2】サイト内での回遊が促進される
階層構造は、関連性の高い情報へのアクセスを容易にし、ユーザーの興味関心に沿った導線を設計することで、サイト内の回遊を促進します。
これにより、ユーザーのサイト滞在時間を延ばし、より多くの情報に触れてもらうことができます。
コンテンツをカテゴリごとに階層的に整理すると、サイト内の回遊が促進される理由は、主に以下の3つの要素が関係しています。
関連性の高い情報へのアクセスが容易になる
階層構造では、関連性の高い情報を同じカテゴリ内にまとめることで、ユーザーが次に興味を持ちそうなコンテンツを見つけやすくします。
例えば、あるユーザーが「犬の飼育方法」について調べているとします。
階層構造がしっかりしていれば、「犬の飼育方法」のページには、同じカテゴリに属する「犬のしつけ」や「犬の食事」といった関連情報へのリンクが自然と配置されるでしょう。
ユーザーはこれらのリンクを辿ることで、サイト内をスムーズに移動し、より深く情報を得ることができます。
ユーザーの興味関心に沿った導線が作れる
階層構造は、ユーザーの興味関心に沿った導線を設計するのに役立ちます。
例えば、ECサイトで「レディースファッション」のカテゴリを見ているユーザーに対して、さらに「トップス」「ボトムス」「ワンピース」といったサブカテゴリへのリンクを用意することで、ユーザーは自分の求める情報に効率的にアクセスできます。
このように、階層構造に基づいたナビゲーションは、ユーザーを迷子にすることなく、サイト内を回遊させ、より多くのコンテンツに触れてもらう機会を増やします。
サイト全体の見通しが良くなり、探索意欲が高まる
階層構造によってサイト全体の見通しが良くなると、ユーザーは安心してサイト内を探索できます。
どこを見ればどんな情報があるのかが明確になっているため、ユーザーは「他にどんな情報があるんだろう?」とサイト内を探索する意欲が高まり、結果として回遊率の向上に繋がります。
【メリット3】ユーザーエクスペリエンスの向上
コンテンツをカテゴリごとに階層的に整理すると、ユーザーエクスペリエンスが向上する理由は、ユーザーがウェブサイトで情報を探す際の行動と密接に関係しています。
ユーザーはウェブサイトを訪れる際、何かしらの目的や情報ニーズを持っています。
階層構造は、その目的やニーズを満たす情報を、ユーザーがスムーズに見つけ出すための道標となるのです。
先ほどご紹介したメリット1と2以外に下の点でもユーザーエクスペリエンスの向上に貢献します。
ストレス軽減
階層構造が整備されていないウェブサイトでは、ユーザーは情報を探すのに苦労し、ストレスを感じてしまいます。
- 迷子の防止: 階層構造は、ユーザーがサイト内で迷子になるのを防ぎ、ストレスを軽減します。
- 時間短縮: 目的の情報に素早くアクセスできるため、ユーザーの時間を無駄にしません。
満足度の向上
上記の要素が満たされることで、ユーザーはウェブサイトに対してポジティブな印象を抱き、満足度が高まります。
- 快適な利用: わかりやすく、探しやすく、ストレスのないウェブサイトは、ユーザーの満足度を高めます。
- 再訪: 満足度の高いユーザーは、再びそのウェブサイトを訪れる可能性が高くなります。
SEO効果の向上
階層的なサイト構造は、検索エンジンがサイトをクロールしやすくし、インデックスの効率を高めます。
以下の点がSEOにおける利点です。
【SEO効果1】クロールの効率化
ウェブサイトのコンテンツをカテゴリごとに階層的に整理すると、検索エンジンのクローラーがサイト内を巡回しやすくなり、クロールの効率化に繋がります。
クローラーは、ウェブサイトの情報を収集するために、ページからページへとリンクを辿ってサイト内を巡回します。
階層構造が明確になっていると、クローラーはウェブサイトの全体像を把握しやすく、効率的に情報を収集できるのです。
具体的には、以下の理由で階層構造はクローラーの効率化に大きく貢献して、ウェブサイト全体のSEO効果を高めることにも繋がります。
クロールされやすいサイトにする方法に関しては『Googleのクローラーに巡回されやすいサイト』で詳しくご説明していますので、ご参照下さい。
サイト構造の理解
階層構造は、ウェブサイトの構成を分かりやすく示すもので、クローラーがサイト全体を理解するのを助けます。
どのページが重要で、どのページが関連しているのかをクローラーが認識しやすくなるため、重要なページを優先的にクロールすることができます。
無駄なクロールの削減
階層構造がない場合、クローラーはサイト内をランダムに巡回し、重要でないページにもアクセスしてしまう可能性があります。
階層構造によって、クローラーは重要なページに絞ってクロールできるようになり、無駄なクロールを減らすことができます。
クロール深度の改善
階層構造が深すぎると、クローラーがサイトの奥深くにあるページまで到達するのに時間がかかってしまいます。
適切な階層構造にすることで、クローラーはすべてのページに効率的にアクセスできるようになり、クロール深度を改善できます。
サイトマップとの連携
階層構造とサイトマップを連携させることで、クローラーはサイトマップからウェブサイトの構造を理解し、効率的にクロールすることができます。
サイトマップは、ウェブサイトのページ情報をまとめたファイルで、クローラーにサイト構造を伝える役割を果たします。
内部リンクの最適化
階層構造に基づいた内部リンクは、クローラーがページ間の関係性を理解するのに役立ちます。
適切なアンカーテキスト(リンクのテキスト)を使用することで、クローラーはリンク先のページの内容を推測し、より正確に情報を収集できます。
【SEO効果2】関連性の強化
コンテンツをカテゴリごとに階層的に整理すると、以下の3つの側面から関連性が強化されます。
これらの関連性の強化は、ユーザーがウェブサイトの情報を理解しやすくするだけでなく、検索エンジンがウェブサイトの構造を理解するのにも役立ちます。
その結果、ユーザーエクスペリエンスの向上とSEO効果の向上に繋がります。
コンテンツ同士の関連性
階層構造は、関連するコンテンツを同じカテゴリにまとめることで、コンテンツ同士の関連性を明確化します。
- グルーピング効果: 同じカテゴリに属するコンテンツは、テーマやトピックが似ているため、互いに関連性が高いと判断できます。階層構造は、このグルーピング効果を高め、ユーザーが関連する情報を見つけやすくします。
- 文脈の理解: 階層構造は、コンテンツの文脈を理解するのに役立ちます。例えば、「犬」という上位カテゴリの下に「犬種」「飼育方法」「しつけ」などのサブカテゴリがある場合、ユーザーはこれらのサブカテゴリがすべて「犬」という文脈に関連していることを理解できます。
コンテンツとカテゴリの関連性
階層構造は、コンテンツがどのカテゴリに属しているのかを明確にすることで、コンテンツとカテゴリの関連性を強化します。
- 所属の明確化: 各コンテンツは、必ずいずれかのカテゴリに属しています。階層構造は、この所属関係を明確化し、ユーザーがコンテンツのテーマを理解するのを助けます。
- カテゴリの役割: カテゴリは、コンテンツを分類するための枠組みを提供します。階層構造によって、各カテゴリがどのような役割を持っているのかが明確になり、ユーザーはカテゴリ名からコンテンツの内容を推測することができます。
カテゴリ同士の関連性
階層構造は、カテゴリ間の親子関係を明確にすることで、カテゴリ同士の関連性を強化します。
- 上位・下位関係: 階層構造では、上位カテゴリと下位カテゴリの関係が明確に定義されます。ユーザーは、上位カテゴリから下位カテゴリへ進むことで、情報範囲を絞り込み、より具体的な情報にアクセスできます。
- 階層の深さ: 階層構造の深さは、カテゴリ間の関連性の強さを示します。階層が深いほど、カテゴリ間の関連性は強くなります。
【SEO効果3】リンクジュースの集約
リンクジュースとは、Webサイトにおけるページ間の評価の伝達を、ジュースが流れる様子に例えたSEO用語です。
簡単に言うと、あるページが持つ評価が、そのページからリンクされている他のページにも伝わるという考え方です。
コンテンツをカテゴリごとに階層的に整理すると、このリンクジュースの流れが最適化され、特定のページに評価が集中しやすくなります。
ただし、過度なリンクジュースの操作は、検索エンジンのペナルティを受ける可能性がありますので注意が必要です。
階層構造を適切に設計し、内部リンクを効果的に活用することで、リンクジュースの流れを最適化し、ウェブサイト全体のSEO効果を高めることができます。
具体的には、以下の仕組みでリンクジュースが集約されます。
- 階層構造と内部リンク: 階層構造に基づいて内部リンクを適切に設定することで、上位ページから下位ページへ、そして下位ページから関連性の高い他のページへと、リンクジュースがスムーズに流れます。
- 上位ページへの集中: 下位ページから上位ページへのリンクが多くなるため、上位ページにリンクジュースが集中しやすくなります。これは、上位ページがそのカテゴリの主要なページであることを示しており、検索エンジンからの評価も高くなります。
- 関連ページへの分配: 上位ページに集まったリンクジュースは、そこからリンクされている関連性の高いページにも分配されます。これにより、カテゴリ内の関連ページ全体の評価を高めることができます。
- サイト全体の強化: リンクジュースの流れが最適化されることで、サイト全体の評価が向上し、検索エンジンのランキングで上位表示されやすくなります。
リンクジュースの具体例
例えば、以下のような階層構造を持つECサイトの場合を考えてみましょう。
- トップページ
- レディースファッション
- トップス
- Tシャツ
- ブラウス
- ボトムス
- パンツ
- スカート
- トップス
- レディースファッション
この構造で、各ページに適切な内部リンクを設定すると、以下のようになります。
- 「Tシャツ」ページは、「トップス」ページと「レディースファッション」ページにリンクします。
- 「ブラウス」ページも同様に、「トップス」ページと「レディースファッション」ページにリンクします。
- 「トップス」ページは、「レディースファッション」ページとトップページにリンクします。
このようにすることで、「レディースファッション」ページやトップページにリンクジュースが集中し、これらのページの評価が高まります。
まとめ
本記事では、「カテゴリを階層的に整理する」とはどのようなことで、何故重要なのかを説明させていただきました。。
ホームページの情報をカテゴリやトピックごとに階層的に整理することは、ユーザーエクスペリエンスの向上とSEO効果の向上に直結します。
適切な階層構造を設けることで、ユーザーが情報を見つけやすくなり、検索エンジンもサイトを効率的にクロール・インデックスできるようになります。
これにより、サイト全体のパフォーマンスが向上することが期待されますので、カテゴリは十分考えて設定しましょう。