はじめに

「物件は揃っているのに、ホームページからの問い合わせが増えない」。

中小の不動産会社様から、こうしたご相談をいただくことがよくあります。

原因は情報量の不足ではなく、「見やすさ」にあるケースが少なくありません。

見やすい不動産ホームページとは、訪れた方が探したい物件や必要な情報へ迷わずたどり着け、スマートフォンでも快適に閲覧できるサイトのことです。

本記事では、見やすさを生む5つの要素、スマートフォン対応のチェック項目、そして公開後の運用までを、ご担当者様向けに分かりやすく解説します。

不動産ホームページで「見やすさ」が成約を左右する理由

不動産は、人生で何度も経験しない高額な取引です。

だからこそ来訪者は、まず「この会社は信頼できそうか」「自分に合う物件を扱っていそうか」を直感的に見極めようとします。

その第一印象を決めるのが、ホームページの見やすさです。

多くの方は、賃貸でも売買でも、まずスマートフォンで物件情報を検索します。

検索結果から訪れたサイトが見にくいと、内容を読む前に離脱してしまうのが実情です。

ここでいう「見やすさ」とは、デザインの美しさそのものではありません。

来訪者が必要な情報へ迷わず進め、次の行動(問い合わせや来店)に移れる導線が整っている状態を指します。

見た目を整えるだけでなく、判断のしやすさまで設計することが、問い合わせ数の差につながります。

見やすい不動産ホームページに共通する5つの要素

ここからは、見やすい不動産ホームページに共通して見られる要素を5つに整理します。

見やすい不動産ホームページとは、来訪者が探したい物件や情報へ迷わず到達でき、スマートフォンでも快適に閲覧できるサイトです。

自社サイトを見直す際のチェック軸としてご活用ください。

①ファーストビューで「誰向けの会社か」が一目で分かる

ファーストビュー(ページを開いて最初に表示される画面領域)は、来訪者の印象を数秒で決めます。

地域密着の賃貸仲介なのか、投資用物件の売買なのか、ファミリー向けなのか。扱う物件や強みが一目で伝わると、対象となる方は「自分向けのサイトだ」と感じて読み進めます。

キャッチコピーと写真の組み合わせで、会社の方向性を端的に示すことが大切です。

②情報を階層化し、トップに詰め込まない

伝えたいことが多いほど、トップページに情報を詰め込みたくなります。

しかし、すべてを一度に見せると、かえってどこを見ればよいか分からなくなります。

トップでは最重要の情報だけを簡潔に示し、「物件情報はこちら」「会社概要を見る」などの分かりやすいリンクで、深い情報へ誘導します。ざっと把握したい方と、じっくり検討したい方の両方に対応できます。

③物件検索の導線が整理されている

不動産サイトの中心は、やはり物件を探す機能です。

エリアや駅名、地図など、来訪者が使いたい方法で物件にたどり着ける導線が整理されていると、見やすさは大きく向上します。

検索ボタンや絞り込み項目をトップの目立つ位置に置くだけでも、迷いは減ります。検索機能の優先順位は、次の章で詳しく扱います。

④配色・フォント・余白で視認性を確保する

どれほど良い物件情報も、読みにくければ伝わりません。

配色は2〜3色程度に絞るとまとまりが出ます。

さらに大切なのが、文字と背景の明暗の差(コントラスト)です。

通常の文字なら背景とのコントラスト比4.5対1以上を目安に確保すると、読みやすくなります。

文字は十分な大きさにし、要素の間に余白をとると、情報が整理されて見えます。

落ち着いた配色は、不動産業に求められる信頼感の演出にもつながります。

⑤スマートフォンだけで完結できる

物件探しの多くは、スマートフォンから始まります。

パソコン画面をそのまま縮小しただけのサイトは、文字が小さく操作しづらくなります。

スマートフォンでも文字が読め、ボタンが押しやすく、問い合わせまで完結できる設計が欠かせません。

具体的なチェック項目は後述します。

物件検索機能は「全部入り」を目指さない

大手ポータルサイトのような豊富な検索機能は魅力的ですが、それをすべて自社サイトに備える必要はありません。

中小の不動産会社様は、自社のターゲットに合わせて機能を絞り込むほうが、結果的に見やすくなります。

SUUMOやat homeといった大手ポータルサイトが、来訪者の期待値の基準を作っているのは事実です。

ただし、同等の機能を中小規模で自前運用するのは、費用面でも更新の手間でも負担が大きいことが多いです。

まず備えたい基本機能は、以下のようなものです。

機能内容優先度の目安
エリア・駅名検索市区町村や沿線・駅から探す高(まず必須)
地図検索地図上で位置を見ながら探す中〜高
こだわり条件ペット可・駐車場ありなどで絞る中(扱い物件しだい)
学区検索小中学校の学区で探すファミリー特化なら検討
お気に入り保存気になる物件を保存・比較中(再訪を促す)

大切なのは、自社のターゲットに本当に必要な機能から導入することです。

たとえばファミリー層を狙うなら学区検索が効果的ですが、事業用物件が中心なら優先度は下がります。

機能を増やすほど画面は複雑になり、見やすさを損なうこともあります。

「あれもこれも」ではなく、来訪者が最初に使う機能を目立たせる発想が、見やすいサイトへの近道です。

スマートフォン対応のチェックリスト

不動産情報の閲覧は、その多くがスマートフォンからです。

ここでは、自社サイトを確認したり、制作会社へ依頼したりする際にそのまま使えるチェック項目をまとめます。

なお、文中の数値は執筆時点(2026年6月)で広く推奨されている目安です。

チェック項目確認内容制作会社への伝え方
レスポンシブ対応画面幅に応じてレイアウトが再配置され、情報や機能を失わず横スクロールなく読めるか「レスポンシブデザインに対応してほしい」
文字の読みやすさ拡大せずに楽に読めるか「本文は読みやすい文字サイズに(目安16px程度)」
ボタンの押しやすさ指で正確にタップできるか「タップ領域に十分な大きさと間隔を(目安48px四方程度)」
横スクロールの有無左右にスクロールが発生しないか「画面幅に収まるレイアウトに」
表示速度モバイル回線でも素早く表示されるか「画像の軽量化など表示速度の改善を」
ナビゲーションメニューが分かりやすく格納されているか「メニューはまとめて分かりやすく」
電話のかけやすさ番号をタップして発信できるか「電話番号にタップ発信(tel:リンク)を設定」

これらは、見やすさを左右する基礎的な項目です。

なお、本文16px前後・タップ領域48px四方程度は、あくまで実務上の目安です(アクセシビリティの公式基準では、タップ領域の最低値は24px四方とされ、48px四方は推奨水準にあたります)。

数値だけで判断せず、利用者が文字を拡大しても内容や機能が欠けないかまで含めて確認することが大切です。

すでに公開済みのサイトでも、スマートフォンで一度ご自身で確認してみると、改善点が見つかることが少なくありません。

見やすさは「公開後の運用」で保たれる

公開した時点では見やすいサイトでも、運用を続けるうちに少しずつ崩れていきます。

とくに不動産業は物件情報の入れ替わりが激しく、更新の負荷が高い業種です。

見やすさを保つには、公開後の運用と保守管理の視点が欠かせません。

物件情報の鮮度を保つ

不動産サイトでもっとも信頼を損ねやすいのが、古い物件情報の放置です。

成約済みの物件がいつまでも掲載されていると、来訪者は「情報が更新されていない会社」という印象を持ちます。

問い合わせてから「その物件はもう…」と続くと、機会損失にもつながります。

さらに、成約済み・売約済みなど実際には取引できない物件を掲載し続けると、景品表示法上の「おとり広告」に該当する可能性があります。

成約後はすみやかに非公開または削除できる更新体制を、運用の最初に決めておくことが大切です。

表示速度・SSLで「安心して見られる」状態を維持する

見やすさは、技術面の土台があってこそ保たれます。

画像が増えて表示が遅くなると、スマートフォンからの離脱が増えます。

サーバー(Webサイトを公開するためのコンピューター)の状態や画像の軽量化を定期的に見直すことが効果的です。

サーバーの基礎についてはサーバーとはもご参照ください。

また、SSL(通信を暗号化する仕組み)が有効でないと、ブラウザに警告が表示され、見る前に不安を与えてしまいます。

問い合わせフォームで個人情報を扱う不動産サイトでは、とくに重要です。

2026年6月時点では、ChromeがHTTPS非対応サイトへの警告表示を段階的に強化しており、全ユーザーへの既定適用はChrome 154から予定されています(安定版の公開予定日は2026年9月22日。

リリース周期の短縮に伴う日程で、段階的に展開されます)。SSL対応の重要性は今後さらに高まる見込みです。

SSLの詳細はSSLとはで解説しています。

さらに、WordPress(コンテンツ管理システム)などで構築したサイトは、本体やプラグインの更新を怠ると改ざんのリスクが高まる点にも注意が必要です。

自社で運用するか、保守を依頼するか

運用には手間と専門知識が必要なため、自社対応か外注かの判断が分かれます。

社内にWeb担当者がいて更新を継続できるなら自社運用も可能ですが、物件更新やセキュリティ対応まで安定して回すのは負担が大きいものです。

本業に集中したい場合は、専門の制作会社に保守管理を任せる方法もあります。

費用感は制作会社の保守費用の目安で詳しく解説しています。

見やすい不動産ホームページの事例・参考

ここまでの要素を踏まえ、見やすさと運用を両立する考え方を、弊社の事例の方向性とあわせてご紹介します。

業種ごとに最適な見せ方は異なりますが、土台となる発想は共通しています。

弊社リヒトスでは、不動産会社をはじめ、工務店、士業事務所、地域の小売店、サロンなど、さまざまな業種のホームページ制作と保守管理を手がけています。業種は違っても、「来訪者が迷わない導線」と「公開後も鮮度を保つ運用」という見やすさの土台は共通しています。

賃貸管理に近い分野では、マンション管理組合がホームページを持つメリットもあわせて参考になります。

実際の制作・保守の事例は、お客様の声でご紹介しています。

地域密着の不動産・サービス業のお客様の声では、見やすさと更新のしやすさを両立した事例を参考にしていただけます。

よくあるご質問

見やすい不動産ホームページについて、ご担当者様からよくいただくご質問をまとめました。

Q: 見やすくするには、全面リニューアルが必要ですか?

必ずしも全面的な作り直しは必要ありません。

ファーストビューの整理、文字サイズの調整、スマートフォン表示の改善など、部分的な見直しで効果が出るケースも多いです。

現状の課題を整理したうえで、優先度の高い部分から着手することをおすすめします。

リニューアルの考え方はホームページのリニューアルもご参照ください。

Q: 物件紹介文を効率よく作る方法はありますか?

執筆時点では、文章の下書き作成にAI(生成AI)を活用する方法も広がっています。

ターゲット層やアピールしたい点を具体的に指示すると、紹介文の案を素早く用意できます。

ただし、AIは事実と異なる内容を生成することがあるため、物件情報や数値は人の目で必ず確認してください。

また、宅地建物取引業法や景品表示法に関わる表現には注意が必要です。

これらは概要を押さえたうえで、個別の判断は専門家にご相談ください。

Q: 見やすいサイトにすると費用はどれくらいかかりますか?

費用は、部分改善か全面リニューアルか、必要な機能の範囲によって幅があります。

一般的な目安は時期や条件で変動するため、執筆時点では一概に申し上げられません。

保守管理の費用感については保守費用の目安で整理しています。

まとめ

見やすい不動産ホームページは、ファーストビュー・情報の階層化・検索導線・視認性・スマートフォン対応という5つの要素で形づくられます。

検索機能は全部入りを目指さず、ターゲットに合わせて絞ることが大切です。

そして公開後は、物件情報の鮮度や表示速度、SSLを保つ運用があってこそ、見やすさが続きます。

自社サイトを見直す際の参考にしていただければ幸いです。

不動産会社のホームページ制作・保守管理のご相談は、株式会社リヒトスまでお気軽にお問い合わせください。

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当社ではホームページの制作と管理をおこなっています。

これから作るホームページの制作、現在お持ちのホームページのリニューアルや保守管理に関してなど、ホームページに関することはなんでもお気軽にご相談ください。

制作や管理に関すること以外でも、記事のご感想などもお聞かせ頂けると嬉しいです。

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