「社内にホームページに詳しい人がいない」「制作した会社が、公開後の管理を受けていない」「頼んでいた管理先がなくなってしまった」。こうした理由から、ホームページの管理を外部に任せたいと考える経営者様・ご担当者様は少なくありません。

ただ、ひと口に「管理を任せる」と言っても、任せられる範囲や委託先の種類はさまざまです。名義や権限の渡し方を誤ると、委託をやめるときに困ることもあります。

この記事では、ホームページの管理を委託するときに、何をどこまで任せ、何を自社に残し、委託先や契約で何を確かめておくとよいかを順に整理します。社内で行う場合も含めた選択肢の全体像は、保守管理を誰に任せるかの3つの選択肢でご紹介しています。

ホームページの管理の委託とは|運用代行・更新代行との違い

ホームページの管理の委託とは、公開したホームページを止めず、壊さずに保つための作業を、外部の会社や個人に継続して任せることです。似た言葉に「更新代行」「運用代行」などがあり、任せる範囲も費用も大きく変わります。まずは言葉を整理しておきましょう。

管理の委託で任せる主な作業

管理の委託で任せる作業は、大きく次の6つに分けられます。

  • 期限を切らさない作業(ドメイン・サーバー・SSL証明書の更新)
  • 安全を保つ作業(WordPress本体・テーマ・プラグイン・PHPの更新)
  • 元に戻せるようにする作業(バックアップ)
  • 困ったときに直す作業(表示されない、崩れた、メールが届かないときの対応)
  • 頼まれて行う作業(文章・写真の変更など)
  • 把握しておく作業(契約・名義・ログイン情報の管理)

WordPressは、専門知識がなくても中身を更新できる仕組みの一つです。PHPはWordPressを動かしているプログラム言語です。SSL証明書は、閲覧する方とのやり取りを暗号化するために使う電子証明書です。

このうち、どこまでを月々の契約に含めるかは委託先によって異なります。とくに「頼まれて行う作業」は、月額に含む会社と別料金の会社に分かれやすい部分です。

「管理の委託」「更新代行」「運用代行」「スポット依頼」の違い

ホームページを外部に任せる形には、目的の違う4つがあります。探しているのがどれかを先に決めておくと、見積もりを比べやすくなります。

区分目的主な作業契約の形向いている状況
管理の委託(保守管理)止めない・壊さない更新、バックアップ、期限の管理、トラブル対応、軽微な修正月額・年額の継続契約が多い社内に技術の分かる人がいない
更新代行情報を新しく保つ文章・写真の差し替え、お知らせの掲載、ページの追加月額、または作業量ごと更新は多いが手が回らない
運用代行問い合わせなどの成果を伸ばすアクセス解析、改善の提案、記事の制作、広告やSNSの運用月額の継続契約が多い集客を外部の力で強めたい
スポット依頼その都度の困りごとを解決する1件ごとの修正や設定1件ごとの見積もり更新がまれで、継続契約までは要らない

2026年10月時点で「ホームページ 管理 代行」と検索すると、運用代行の会社を紹介する記事が多く見つかります。運用代行は集客の施策まで含むため、管理の委託とは作業の範囲も費用の幅も大きく違います。管理を任せたいのか、集客まで任せたいのかを、最初に分けて考えることをおすすめします。

実際には、これらを組み合わせた契約も多く、区分の呼び方も会社によって異なります。名前ではなく、どの作業が含まれるかで比べてください。

委託で任せられる範囲と、自社に残すこと

管理を委託すると、技術的な作業の多くを任せられます。一方で、どれだけ任せても自社にしかできないことがあり、そこを手放すと後で困ります。ここでは、任せやすい作業と、自社に残しておきたいことを分けてご説明します。

外部に任せやすい作業

外部に任せやすいのは、専門知識が要る作業と、手間はかかるものの判断の要らない作業です。

専門知識が要る作業の代表は、WordPressやプラグインの更新と、更新後の表示や動作の確認です。更新によって画面が崩れたり、お問い合わせフォームが動かなくなったりすることがあるため、元に戻す手順まで含めて任せられると安心です。トラブルのときに、原因がドメイン・サーバー・サイトのどこにあるかを切り分ける作業も、経験の差が出やすい部分です。

文章や写真の差し替えは、技術的には難しくありませんが、時間を取られやすい作業です。原稿は自社で用意し、反映は委託先に任せるという分け方ができます。

任せても自社に残すこと

管理をすべて委託する場合でも、次の3つは自社に残しておくことをおすすめします。

1つ目は、掲載する内容の判断と原稿です。料金や営業時間、スタッフの情報が正しいかどうかは、自社にしか分かりません。反映は委託先、内容の最終確認は自社、という役割分担が基本になります。

2つ目は、ドメインとサーバーの名義と支払いです。ドメイン(○○.co.jpのような、ホームページとメールアドレスの住所)を委託先の名義で契約していると、委託をやめるときに名義を移す手続きが必要になります。相手の協力が得られなければ、手が出せなくなるおそれもあります。名義は自社のままで、作業だけを任せる形が望ましいでしょう。

3つ目は、誰にどの権限を渡したかの一覧です。管理画面やGoogleのサービスの権限をどう渡すかは、この記事の後半で詳しくご説明します。

一部だけ委託し、一部は社内で行う

管理の委託は、すべてを任せるか、すべてを社内で行うかの二択ではありません。作業ごとに担当を分けることもできます。

たとえば、文章やお知らせの更新は社内の担当者が行い、本体の更新・バックアップ・トラブル対応は外部に任せる分け方があります。反対に、作業はすべて外部に任せ、掲載前の内容の確認だけを社内で行う形もあります。

社内で行う部分の具体的な業務と手順は、ホームページは自分で管理できる?業務内容と手順でご紹介しています。

委託先の種類と、それぞれに向いている状況

ホームページの管理を委託できる先は、大きく4つに分けられます。どれが優れているということではなく、ホームページの作りと社内の状況によって合う先が変わります。それぞれの特徴と、気をつけたい点を並べます。

ホームページを制作した会社

ホームページを作った会社に、公開後の管理も続けて任せる形です。

サイトの作りを知っているため、トラブルのときに原因を探しやすく、改修の相談もしやすい点が利点です。一方で、ドメインの名義やログイン情報が制作会社の手元にしかない状態になりやすいため、前の章の「自社に残すこと」を意識しておく必要があります。なお、制作会社によっては公開後の管理を受けていない場合もあります。

保守管理を受ける別の制作会社・保守を専門にする会社

制作した会社とは別の会社に、管理だけを任せる形です。保守管理を専門にしている会社や、他社が作ったホームページの管理を受けている制作会社が当てはまります。

この形では、自社のホームページを引き受けてもらえるかが最初の関門になります。サイトの作りや使っている仕組みによっては、他社が作ったサイトを受けていない会社もあるためです。

大阪府枚方市のI医院様は、それまで依頼していた保守管理先が突然の事情で閉鎖し、ホームページを更新できなくなりました。最終的に弊社へご相談くださいましたが、それまでに依頼先を探したときのことを、アンケートに次のように書いてくださっています。

何社かのホームページを検索し、電話相談しましたが他社の作成したホームページをそのまま管理委託できる会社が見つかりませんでした。

I医院様のアンケートの全文は、お客様の声でご覧いただけます。

依頼先を探すときは、最初の問い合わせで「他社が作ったサイトでも引き受けているか」「どのような仕組みのサイトなら対応できるか」を確かめると、無駄が少なくなります。弊社リヒトスでも、他社で制作されたホームページの保守管理をお受けしています。対応している作業と流れは、弊社の保守管理サービスのページでご紹介しています。

フリーランス(個人)

個人で活動しているWeb制作者に、管理を任せる形です。

窓口と作業者が同じ人のため、やり取りが早く、細かな要望にも柔軟に応えてもらいやすい傾向があります。一方で、その方が病気や廃業などで対応できなくなったときの備えが必要です。作業の手順やログイン情報の一覧を、自社でも持っておくことが大切になります。

サーバー会社やホームページ作成サービスのサポート

レンタルサーバー会社や、ホームページ作成サービス(Wix・Jimdo・STUDIOなど。読みの五十音順)が提供するサポートを使う形です。

サポートの対象は、そのサーバーやサービス自体の使い方や不具合に限られることがあります。サイトの中身の更新や、WordPressの保守まで含むかどうかは、サービスごとの案内を確かめてください。ホームページ作成サービスの場合、仕組みそのものの更新はサービス側が行うため、利用者に残るのは契約・アカウント・独自ドメインの管理が中心です。

委託先を選ぶときに確認したい7つのこと

委託先の候補が見つかったら、契約の前に確かめておきたいことがあります。金額だけを比べると、含まれる作業の違いを見落としがちです。次の7つを、具体的な聞き方の例とあわせてご紹介します。

#確認すること聞き方の例
①自社のホームページを引き受けられるか「他社が作ったWordPressのサイトですが、管理をお願いできますか」
②月額に含まれる作業と、別料金になる作業「新しいページの追加は、月額の範囲に入りますか」
③修正の回数の数え方「写真3枚の差し替えを1通のメールで頼んだら、何回分ですか」
④依頼の方法・対応時間・緊急時の連絡「ホームページが表示されないときは、どこに連絡すればよいですか」
⑤担当の体制「担当の方が不在のときは、どなたが対応されますか」
⑥名義を自社のまま委託できるか「ドメインとサーバーは、当社の名義のままで構いませんか」
⑦やめるときに何を引き渡してもらえるか「契約を終えるとき、データやアカウントはどう返していただけますか」

①自社のホームページを引き受けられるか

最初に確かめたいのは、自社のホームページの作りで引き受けてもらえるかどうかです。

対応できる会社は、サイトの作り方によって変わります。WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)で作られたサイトもあれば、HTML(ホームページの中身を記述する言語)で直接作られたサイトもあります。制作会社が独自に開発した仕組みの場合は、引き受けられる会社がさらに限られることがあります。また、使われているプログラムによっては、PHPのバージョンを上げられない作りのサイトもあります。

引き受けの可否とあわせて、「どの作業ができて、どの作業が難しいか」まで聞いておくと安心です。

②月額に含まれる作業 ③修正の回数の数え方

月額の範囲は、会社によって大きく異なります。「軽微な修正を含む」と書かれていても、何を「軽微」とするかは会社ごとに違います。

そのため、確かめるときは具体的な作業の例で聞くことをおすすめします。新しいページの追加、バナーの制作、お問い合わせフォームの項目の追加などが、月額に入るのか、別途見積もりなのかを1つずつ確かめます。

修正の回数がプランで決まっている場合は、1回の数え方も重要です。1通の依頼を1回と数えるのか、1か所を1回と数えるのか。使わなかった回数を翌月に繰り越せるか、1回あたりの作業量に上限があるかも、あわせて確かめておきましょう。費用の目安は、この記事の「よくある質問」で触れています。

④依頼の方法・対応時間・緊急時の連絡 ⑤担当の体制

日々のやり取りのしやすさは、委託してから差が出る部分です。

依頼をメール・電話・チャットのどれで受け付けているか、依頼から反映までのおおよその日数、対応している曜日と時間帯を確かめます。ホームページが表示されない、メールが届かないといった急ぎのときの連絡先も、あらかじめ聞いておきます。

あわせて、担当者が1人か複数か、不在のときに誰が対応するかも確認します。1人で対応している場合は、その方に何かあったときにどうなるかを聞いておくと安心です。

⑥名義を自社のまま委託できるか ⑦やめるときに何を引き渡してもらえるか

最後の2つは、委託を始めるときより、やめるときに効いてくる項目です。

ドメインとサーバーを自社の名義のまま委託できれば、委託先を変えるときの手続きはずっと進めやすくなります。委託先の名義での契約が前提になっている場合は、やめるときに名義をどう移すかを、最初に確かめておきます。

契約を終えるときに、ホームページのデータや、管理画面などの権限をどう返してもらえるかも大切です。実際に委託先を変えるときの確認事項と手順は、ホームページの管理会社を変更する方法にまとめています。

管理画面やアカウントは「委託先用」に権限を分けて渡す

委託先に作業してもらうには、管理画面などへのログインが必要です。このとき、自社のIDとパスワードをそのまま伝える方法は、避けることをおすすめします。多くのサービスには、オーナーとは別に利用者を追加し、役割を選んで権限を渡す仕組みが用意されています。

IDとパスワードを共有すると、自社の担当者と委託先のどちらが作業したのかを見分けにくくなります。委託をやめるときも、パスワードを変えるまでは相手がログインできる状態が続きます。委託先には委託先用のアカウントを用意し、必要な範囲の権限だけを渡すのが基本です。

WordPress(ユーザーを追加して役割を選ぶ)

WordPressでは、管理画面からユーザーを追加し、役割(WordPressでは「権限グループ」)を選べます。WordPressの公式ドキュメントでは、管理者・編集者・投稿者など6つの権限グループが説明されています。

主な役割の違いは次のとおりです。

  • 管理者: そのサイトのすべての管理機能を使える
  • 編集者: 他の人の投稿も含めて、すべての投稿を公開・管理できる
  • 投稿者: 自分の投稿だけを公開・管理できる

(出典:ja.wordpress.org「ユーザーの種類と権限」、2026年10月7日確認)

初期設定の権限グループのまま1つのサイトとして使っている場合、プラグインのインストールや更新ができるのは管理者だけです。そのため、保守管理を任せる委託先には、管理者の権限が必要になることが多いでしょう。その場合も、自社の担当者のアカウントとは分けて、委託先用の管理者アカウントを作ります。社内でお知らせの投稿だけを行う方には、編集者や投稿者の権限で足りることもあります。

Google Search Console・Googleビジネスプロフィール・Googleアナリティクス

Googleのサービスも、アカウントを共有せずに利用者を追加できます。委託先には、委託先が持っているGoogleアカウントを追加する形にします。Googleビジネスプロフィールのヘルプも、各ユーザーが自分のGoogleアカウントを使えば、パスワードを共有せずに管理できると案内しています。

サービス主な役割(公式の区分)委託先に渡すときのポイント
Google Search Console(Google検索での掲載状況を確認できるツール)所有者/フルユーザー/制限付きユーザー所有者は自社に残す。委託先の作業に必要な権限を相談して選ぶ
Googleビジネスプロフィール(Google検索やGoogleマップに表示される会社・店舗の情報)オーナー(メインのオーナーは1人)/管理者メインのオーナーは自社に残す。日々の更新は管理者で足りることが多い
Googleアナリティクス(ホームページのアクセス状況を調べるツール)管理者/編集者/マーケティング担当者/アナリスト/閲覧者ユーザーの管理ができる「管理者」は自社に残す

(出典:Search Console ヘルプ「所有者、ユーザー、権限の管理」、Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのオーナーと管理者を管理する」、Google アナリティクス ヘルプ「アクセス権とデータ制限の管理」、いずれも2026年10月7日確認)

Search Consoleの所有者は、他のユーザーの追加と削除を含めて、プロパティを完全に管理できます。ヘルプによると、確認済みの所有者を削除しても、所有権の確認に使ったファイルやタグ(確認トークン)が残っていれば、その人は所有権を確認し直せます。所有者の権限を委託先に渡した場合は、外すときに確認トークンも整理する必要があります。

Googleビジネスプロフィールの管理者は、オーナーとほぼ同じ操作ができますが、ユーザーの追加と削除、プロフィールの削除はできません。Googleアナリティクスの編集者も、プロパティの設定は管理できますが、ユーザーの管理はできません。

サーバー・ドメインの管理画面

レンタルサーバーやドメインの管理画面に、利用者を分けたり権限を絞ったりする機能があるかどうかは、契約先によって異なります。まずは契約先の案内を確かめてください。

機能がない場合は、作業を頼むときだけ情報を伝え、作業が終わったらパスワードを変えるといった運用を、委託先と相談して決めておきます。どちらの場合も、契約者の名義と、更新料の支払い方法は自社で押さえておきましょう。

渡した権限の一覧と、終了時の削除

最後に、誰にどの権限を渡したかを一覧にしておきます。サービス名、渡した相手、役割、渡した日を記録しておけば、委託をやめるときや担当者が替わるときに、外し忘れを防げます。

IPA(情報処理推進機構)は、「安全なウェブサイトの運用管理に向けての20ヶ条 〜セキュリティ対策のチェックポイント〜」を公開しています(2026年10月7日確認)。その中で、ウェブサーバのセキュリティ対策の1つとして「不要なアカウントが登録されていませんか?」という項目を挙げています。弊社では同じ考え方で、委託が終わった相手の権限は、ホームページの管理画面やGoogleのサービスからも速やかに外すことをおすすめしています。

契約で確認しておきたいこと(範囲・個人情報・終了時の引き渡し)

委託の内容は、口約束ではなく書面で確かめておくと、行き違いを防げます。ここでは、契約の前に確認しておきたい項目を整理します。契約書の書き方や、自社の場合にどうすべきかといった個別の判断は、弁護士などの専門家にご相談ください。

作業範囲・契約期間・解約の条件

まず、委託先を選ぶときに確かめた作業の範囲(月額に含まれる作業、修正の回数の数え方、対応時間)が、契約書や申込書に書かれているかを確認します。口頭で聞いた内容と書面が違う場合は、契約の前に揃えてもらいましょう。

あわせて、契約期間と自動更新の有無、解約を申し出る期限、途中で解約するときの扱いも確かめます。年払いの場合は、途中で解約したときに残りの期間分がどう扱われるかも聞いておくと安心です。

お問い合わせフォームなどで個人情報を扱う場合

お問い合わせフォームや予約フォームから届く個人情報を委託先が扱う場合は、個人情報保護法にも目を向ける必要があります。

個人情報保護法は、個人データの取扱いの全部または一部を委託するとき、委託した側に委託先を監督する義務を定めています(法第25条)。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、その内容として、適切な委託先を選ぶこと、委託契約を結ぶこと、委託先での取扱状況を把握することを挙げています。委託先がさらに別の事業者に作業を任せる「再委託」についても、事前に報告を受けるなどして確かめることが望ましいとしています。

(出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」平成28年11月(令和8年6月一部改正)、2026年10月7日確認)

ただし、保守を任せれば必ず「委託」に当たるわけではありません。委員会のQ&Aは、保守を行う事業者がサービスとして情報システム内の個人データを取り扱う場合は、個人データを提供したことになると説明しています。その場合は、本人の同意を得るか、委託に伴う提供として委託先を監督する必要があります。

一方、単純なハードウェア・ソフトウェアの保守だけを行う場合は扱いが異なります。こうした保守で、契約により個人データを取り扱わないことを定め、適切にアクセス制御をしている場合などは、個人データの提供に当たらないとしています。

(出典:個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q7-55、令和7年7月1日版、2026年10月7日確認)

自社の場合にどちらに当たるか、契約に何を盛り込むべきかは、個人情報の扱いに詳しい専門家にご確認ください。

なお、改正個人情報保護法が2026年7月17日に公布されました。改正には、委託先に関する規律も含まれています。委託を受けた事業者は、一定の例外を除き、委託された個人データ等を、委託を受けた業務に必要な範囲を超えて取り扱ってはならないことが明記されました。施行は一部を除き公布日から2年以内の政令で定める日のため、施行の時期と具体的なルールは個人情報保護委員会の案内でご確認ください。

(出典:個人情報保護委員会事務局「個人情報保護法等の一部を改正する法律について」令和8年7月、2026年10月7日確認)

終了時の引き渡し(データ・制作物・アカウント)

委託を終えるときに何を受け取れるかも、契約の段階で確かめておきます。受け取りたいものは、主に次のとおりです。

  • ホームページのデータ(WordPressの場合は、ファイルとデータベースの両方のバックアップ)
  • 管理画面やGoogleのサービスの権限の返却(委託先用アカウントの削除)
  • ドメインとサーバーの契約情報(契約先、名義、更新日)

WordPressのバックアップがデータベースとファイルの2つに分かれることは、WordPressの公式ドキュメントでも説明されています(ja.wordpress.org「WordPress のバックアップ」、2026年10月7日確認)。

また、委託先が作ったバナーや追加したページなど、制作物の権利の扱いも、契約で確かめておく項目です。権利の帰属や使い方は契約の内容によって変わるため、判断に迷う場合は専門家にご相談ください。

業種別に見る、委託の前に決めておきたいこと

委託で確かめる項目はどの業種でも共通ですが、特に気をつけたい点は業種によって変わります。ここでは5つの業種について、委託の前に社内で決めておきたいことをご紹介します。

医療・整骨院

診療時間の変更や臨時休診のお知らせは、来院される方に直接影響します。急ぎの更新をどの連絡手段で頼むか、委託先の休業日をまたぐときはどうするかを、事前に決めておきます。予約システムや問診票など外部のサービスを使っている場合は、その動作確認が委託の範囲に入るかも確かめます。

医療機関や施術所の広告には、法令やガイドラインで表示できる内容の決まりがあります。掲載する表現の最終判断は自社で行い、判断に迷う内容は所管の窓口や専門家にご確認ください。

兵庫県西宮市のH整骨院様は、弊社にご依頼いただく前のお悩みを「更新、管理です。」と答えてくださいました。他社から弊社への移管について尋ねた質問には、「保守管理は初めてでした。」と答えてくださっています。H整骨院様のアンケートは、お客様の声でご覧いただけます。

保守管理を初めて委託するときは、何を頼めて何を確かめればよいのかが分かりにくいものです。「委託先を選ぶときに確認したい7つのこと」の7項目を、そのまま問い合わせのときの質問に使ってみてください。

士業(税理士・社会保険労務士・行政書士など)

士業のホームページは、相談の申し込みを受け付ける窓口の役割が大きくなります。お問い合わせフォームから相談内容や個人情報が届く場合は、前の章で触れた個人情報の扱いを、委託先と確かめておきます。

制度の改正や報酬の改定があったときに、どのくらいの日数で掲載を直してもらえるかも、事前に聞いておきたい点です。

飲食店・小売店

メニューや商品、季節のキャンペーンなど、写真の差し替えが多い業種です。弊社でも、ベーカリー様からは、毎月変わる季節のパンの商品名と写真の変更をご依頼いただいています。飲食店様からは、InstagramのQRコードをトップページに載せるご依頼もいただきました。

更新の回数が多くなりやすいため、修正の回数の数え方と、まとめて頼むときの扱いを、契約の前に確かめておくことをおすすめします。

工務店・不動産

施工事例や物件情報を、継続して追加していく業種です。写真と原稿をどの形で渡すか(枚数、画像のサイズ、文章の書式)を決めておくと、依頼のたびのやり取りが減ります。

物件のように掲載期間が決まっている情報は、終了後に誰が下げるかも決めておきます。写真が増えるほどサーバーの容量やバックアップの量も増えるため、その扱いも確かめておくと安心です。

団体・組合(マンション管理組合など)

役員や担当者が定期的に交代するのが、団体・組合の特徴です。交代のたびに、管理画面やGoogleのサービスの権限を新しい担当者に付け替え、前任者の権限を外す手順を決めておきます。

委託先からの連絡や、ドメインの更新の案内が届くメールアドレスは、個人ではなく団体のアドレスにしておくと、引き継ぎの漏れを防げます。

よくある質問

ホームページの管理の委託について、よくいただくご質問にお答えします。

Q: 他社で制作したホームページでも、管理だけを委託できますか?

委託できる場合があります。他社が制作したホームページの管理を受けている会社もあります。

ただし、制作会社が独自に開発した仕組みで作られている場合や、ホームページ作成サービスの中で作られている場合は、ほかの会社に管理を移せないこともあります。問い合わせのときに、使っている仕組みと、ドメイン・サーバーの契約先を伝えると、引き受けられるかを判断してもらいやすくなります。

Q: 管理を委託すると、費用はどのくらいかかりますか?

費用は、任せる作業の範囲と修正の回数によって大きく変わります。提示された金額にサーバー代やドメイン代などの実費が含まれるかどうかで、比べる前提が変わる点にも注意が必要です。

Web幹事の「ホームページ管理費の相場は?月額の内訳とコストを安く抑える5つのポイント」(更新日2026年9月4日)は、同社のマッチングサービス経由の発注データをまとめています。それによると、ホームページ管理費は月額5,000円〜2万円が約6割を占めます。同記事は「ホームページの管理」を維持・運用・保守の3つをまとめた呼び方とし、管理費の内訳にサーバー費用・ドメイン費用・SSL費用も挙げています。

相場の見方と、保守費用に含まれない作業は、ホームページの保守費用は妥当?相場と含まれない作業で解説しています。

Q: 委託したあとに、委託先を変えることはできますか?

多くの場合、変えることができます。ただし、契約期間中の解約の条件によっては、すぐに切り替えられないこともあります。

手続きを左右するのは、ドメインとサーバーの名義、管理画面などの権限、契約の解約条件です。この記事で挙げた「自社に残すこと」と「委託先用の権限」を最初から整えておけば、委託先を変えるときの準備も少なく済みます。具体的な確認事項と手順は、「委託先を選ぶときに確認したい7つのこと」の⑥⑦でご紹介した記事にまとめています。

まとめ

ホームページの管理の委託は、公開後のホームページを止めずに保つ作業を、外部に任せることです。この記事の要点を振り返ります。

  • 「管理の委託」「更新代行」「運用代行」「スポット依頼」は、目的も範囲も違う。探しているのがどれかを先に決める
  • 技術的な作業は任せやすい。ただし、掲載内容の判断、ドメイン・サーバーの名義、渡した権限の一覧は自社に残す
  • 委託先は大きく4種類。ホームページの作りと社内の状況で選び、まず自社のサイトを引き受けられるかを確かめる
  • 管理画面やGoogleのサービスは、IDを共有せず、委託先用のアカウントに必要な権限だけを渡す
  • 個人情報を扱う場合の確認と、やめるときの引き渡しは、契約の段階で決めておく

まずは、自社のホームページについて、ドメイン・サーバー・管理画面・Googleのサービスの名義と権限を持っている人を書き出してみてください。委託先に何を任せ、何を自社に残すかが見えてきます。

ホームページの保守管理のご相談は、株式会社リヒトスまでお気軽にお問い合わせください。

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株式会社リヒトスは「集客ができるホームページ」を目標にホームページ新規制作やリニューアルをおこなっています。

ホームページの管理をさせて頂いているお客様には、ブログ記事の書き方に関するご相談なども受けております。

これから作るホームページの制作、現在お持ちのホームページのリニューアルや保守管理に関してなど、ホームページに関することはなんでもお気軽にご相談ください。