phpのバージョンアップで不具合

はじめに

「PHPの更新が必要です」という案内がWordPressの管理画面に表示され、戸惑っているご担当者の方は少なくありません。(※「PHPの更新が必要です」という表示が出た時に関しましては『「PHPの更新が必要です」と表示されたら、どうすればいいですか?』のページで詳しく説明していますのでご参照ください。)

中には、思い切って更新したところ、ホームページが真っ白になったり、問い合わせフォームが動かなくなったりして、慌ててしまうケースもあります。

こうした不具合は、PHPのバージョンを元に戻すことで復旧する場合が多く、原因としてよくあるのが、古いテーマやプラグインが新しいPHPに対応できていないことです。

落ち着いて順番に対応すれば、過度に恐れる必要はありません。

この記事では、PHPのバージョンアップで不具合が起きる理由から、症状別の見分け方、起きてしまったときの対処手順、そして再発を防ぐための進め方までを、順を追って解説します。

なお「PHPの更新が必要です」という表示の意味そのものについては、「PHPの更新が必要です」と表示されたらどうすればいいですか?もあわせてご覧ください。

PHPバージョンアップで不具合が起きる理由

PHPの更新でなぜホームページが止まってしまうのか、その仕組みを知っておくと、対処も予防もぐっと進めやすくなります。

ここでは、PHPとは何かという基本から、不具合が起きる原因、そして最初に確認したい項目までを平易に整理します。

そもそもPHPとは

まずは、PHPがホームページの中でどんな役割を担っているかを押さえておきましょう。

PHP(Webサイトを動かすためのプログラミング言語)は、WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)を裏側で動かしている仕組みです。

普段は意識することがありませんが、ホームページが表示されるとき、このPHPがサーバー上で動いています。

サーバーとは何かについては、サーバーとはで詳しく解説しています。

なぜアップデートで不具合が起きるのか

不具合の根っこにあるのは、新旧バージョンの「対応のずれ」です。

PHPはバージョンが上がるたびに、安全性や処理速度が改善されていきます。

その一方で、古いバージョンで使えていた書き方の一部が、新しいバージョンでは「非推奨」から「使用不可」へと扱いが変わることがあります。

特にPHP 7系からPHP 8系への移行では、この変更の影響が大きく出やすい傾向があります。

古いテーマやプラグインがこの変化に追従できていないと、エラーが発生し、ホームページが止まってしまうことがあるのです。

最初に確認したい4つの項目

原因を探るときは、確認する箇所を分けて考えると整理しやすくなります。

まず確認したい代表的な項目は、WordPress本体、テーマ(デザインを決める部分)、プラグイン(機能を追加する部品)、そしてお問い合わせフォームの4つです。

この切り分けの視点は、後ほどの対処手順でも役立ちます。

なお、これ以外にも、独自に追加されたプログラムやサーバー側の設定などが原因になる場合もあります。

上記の4項目を確認しても解決しない場合は、後述のとおり専門会社への相談も選択肢になります。

よくある不具合の症状

PHPのバージョンアップで起きる不具合は、いくつかの典型的な症状に分かれます。

症状から原因の当たりをつけられると、対処がぐっとスムーズになります。ここでは、ご担当者の方が遭遇しやすい代表的な症状を見ていきます。

画面が真っ白・サイトが表示されない(500エラー)

よく見られるのが、表示そのものができなくなる症状です。

ホームページが真っ白になったり、「500エラー」と表示されてサイトが開けなくなったりするケースです。

500エラーは、サーバー側で予期しない問題が起きたことを示す一般的なエラーで、PHPの不具合はその原因の一つです。

PHPの更新直後にこうした症状が出た場合は、テーマやプラグインの互換性の問題が疑われます。

なお、画面が真っ白になる症状とエラー表示は必ずしも同じ状態とは限らず、原因の特定には専門会社に相談する方法もあります。

ホームページが表示されない場合の対処については、ホームページが表示されない原因と対処法もご参照ください。

管理画面に入れない

表側は問題なく見えても、裏側で操作できなくなることがあります。

ホームページ自体は表示されるものの、WordPressの管理画面(ダッシュボード)にログインできなくなるケースです。

管理画面に入れないと更新作業も止まってしまうため、不安に感じる方が多い症状です。

問い合わせフォーム・メールが動かない

見た目では気づきにくい不具合もあります。

表面上は問題なく見えても、お問い合わせフォームの送信ができなくなっていることがあります。

フォームを動かしているプログラムが新しいPHPに対応していないと、送信時にエラーが返ってしまうためです。

中小企業のホームページでは、フォームの停止が機会損失に直結するため、特に注意が必要です。

レイアウト崩れ・一部機能の停止

全体ではなく、部分的に影響が出るパターンもあります。

全体は表示されるものの、デザインが崩れたり、スライドショーや予約機能など一部の機能だけが動かなくなったりすることがあります。

これは特定のテーマやプラグインだけが影響を受けている場合に起こりやすい症状です。

不具合が起きたときの対処手順

実際に不具合が起きてしまっても、慌てる必要はありません。

順を追って対応すれば、多くのケースで復旧できます。

ここでは、安全性の高い順に5つのステップで対処の流れを解説します。

ステップ1|PHPバージョンを元に戻す(ダウングレード)

まず試したいのが、状態を更新前に戻すことです。

更新前のPHPバージョンがサーバーで引き続き提供されている場合は、元に戻すことで、ひとまずホームページが復旧することがあります。

PHPのバージョンは、契約しているレンタルサーバーの管理画面から切り替えられます。

エックスサーバー、ロリポップ、ConoHa WING、さくらインターネットなど、主要なサーバーには、いずれもPHPバージョンを選択する機能が用意されています。

お使いのサーバーの具体的な操作方法は、各社のマニュアルをご確認ください。

ただし、サーバーや状況によっては、以前のバージョンに戻せない場合があります。

その際は、サーバー会社へご確認ください。

また、戻した先のPHPがすでにサポート終了(EOL)のバージョンである場合、元に戻すのはあくまで緊急避難と考えてください。

互換性の問題を解消したうえで、改めてサポート中のPHPへ更新することが大切です。

ステップ2|WordPress本体・テーマ・プラグインを更新

復旧したら、根本的な対策に移ります。

新しいPHPに対応できるよう、WordPress本体・テーマ・プラグインをそれぞれ最新の状態に更新します。

古いまま放置されていたことが不具合の原因になっているケースは少なくありません。

WordPressの基本については、WordPressとはでも解説しています。

ステップ3|原因の切り分け(プラグインの一時無効化など)

それでも不具合が残る場合は、原因を1つずつ特定していきます。

代表的な方法は、プラグインをいったんすべて無効化し、1つずつ有効に戻しながら、どれが原因かを見極める手順です。

テーマを一時的に標準のテーマへ切り替えて確認する方法も有効です。

先ほどの「本体・テーマ・プラグイン・フォーム」の4項目を思い出すと、切り分けが進めやすくなります。

ステップ4|バックアップから復元

操作が難しい場合の備えが、バックアップです。

対処が難しい場合や、操作中にさらに状態が悪化してしまった場合には、事前に取得しておいたバックアップから復元する方法があります。

ファイルとデータベースがそろった正常なバックアップがあり、必要なPHP環境も利用できれば、不具合が起きる前の状態に戻せます。

それでも直らない場合(専門家へ相談)

無理は禁物です。手詰まりのときは相談を検討してください。

ここまで試しても復旧しない場合は、操作を続けず、ホームページの制作会社や保守管理の専門会社に相談することをおすすめします。

操作を重ねるほど原因が複雑になり、かえって復旧に時間がかかってしまうこともあるためです。

不具合を防ぐ安全なバージョンアップの進め方

不具合は、起きてから直すよりも、起こさないように備えるほうが負担が小さく済みます。

ここでは、バージョンアップで失敗しないための事前準備と、継続的に備えるための考え方をご紹介します。

事前にバックアップを取る

すべての基本は、戻せる状態を用意しておくことです。

バージョンアップの前には、必ずバックアップを取っておきましょう。

データベースとファイルの両方を保存しておくと、万一の際にも元の状態へ戻せます。

バックアップ用のプラグインを使う方法のほか、サーバーの自動バックアップ機能を利用する方法もあります。

テスト環境(ステージング)で検証

本番をいきなり触らないことが、安全への近道です。

本番のホームページをそのまま更新するのではなく、コピーした環境で先に試す方法があります。

この検証用の環境は「テスト環境」「ステージング環境」などと呼ばれます。

先にここで不具合の有無を確認しておけば、本番への影響を抑えられます。

対応バージョンの事前確認

更新先のPHPに、お使いのテーマやプラグインが対応しているかを事前に確認することも大切です。

現在のPHPバージョンは、WordPressの管理画面「ツール > サイトヘルス > 情報 > サーバー」から確認できます。

2026年6月時点では、PHP 8.1以前はすでにサポートが終了しています。

サポート対象はPHP 8.2〜8.5で、このうちPHP 8.2は2026年12月末にサポート終了が予定されています。

バージョンを選ぶ際は、WordPress本体・テーマ・プラグインが対応している範囲で、サポート中の新しいPHPを選ぶのが基本です。

ただし、WordPress本体のバージョンが古いと、最新のPHPに対応していない場合があります。

たとえば、新しいPHPに対応するにはWordPress本体も新しいバージョンである必要があるため、本体・テーマ・プラグインの対応状況をあわせて確認してください。

サポート状況や対応バージョンは時期によって変わるため、更新の際には必ず公式情報で最新の状況を確認してください。

(出典:PHP公式「Supported Versions」WordPress公式「PHP Compatibility and WordPress Versions」、いずれも2026年6月時点)

保守管理で継続的に備える

バージョンアップは、一度きりでは終わりません。

PHPの新しいバージョンは原則として毎年登場し、各バージョンにはサポート期限があります。

そのため、運用状況に応じて1〜数年ごとに移行対応が必要になります。

そのたびに自社で対応するのが難しい場合は、保守管理を専門の制作会社に依頼する方法もあります。

定期的なバックアップや更新、不具合時の対応までを任せられるため、技術的な不安から解放されます。

保守管理の費用や内容については、ホームページの保守管理|費用と内容で詳しく解説しています。

弊社の保守管理の内容はサービスのご案内をご参照ください。

業種別に見る「サイトが止まると困る」ポイント

ホームページの不具合が事業に与える影響は、業種によって異なります。

「どの機能が止まると致命的か」を知っておくと、優先して備えるべき箇所が見えてきます。

ここでは、いくつかの業種を例に挙げて整理します。

飲食店では、予約フォームの停止が直接的な機会損失につながります。

来店を考えていたお客様が予約できず、他店へ流れてしまうおそれがあるためです。

士業(税理士事務所や行政書士事務所など)では、相談・問い合わせフォームの停止が信頼に直結します。

問い合わせの窓口が機能していないと、依頼を検討していた方の不安につながりかねません。

製造業の町工場などでは、取引先からの問い合わせ窓口が止まることが課題になります。

新規の引き合いを逃さないためにも、フォームの動作確認は欠かせません。

小売店やECサイトでは、決済やカート機能の停止が売上に直結します。

表示は問題なくても決済だけが止まっている、というケースには特に注意が必要です。

マンション管理組合などの団体では、居住者や会員向けの情報が閲覧できなくなることが問題になります。

お知らせや議事録の共有が止まると、運営に支障が出ることもあります。

よくあるご質問

最後に、PHPのバージョンアップについて、ご担当者の方からよく寄せられる疑問にお答えします。

Q: PHPのバージョンは上げないとダメですか?

サポートが終了(EOL)したPHPは、新たな脆弱性が見つかっても修正されないため、セキュリティ上のリスクが高まります。

2026年6月時点では、PHP 8.1以前がすでにサポート終了となっています。

サポート対象のバージョンを使い続けることをおすすめします。

Q: 自分でやって大丈夫ですか?制作会社に頼むべきですか?

サイトの規模や機能によります。

シンプルなサイトであれば、バックアップを取ったうえでご自身で対応できるケースもあります。

一方、決済機能のあるサイトや、止まると業務に大きく影響するサイトの場合は、専門の制作会社へ依頼するほうが安心なケースが多いです。

Q: バージョンを元に戻せば必ず直りますか?

多くのケースでは、元に戻すことで復旧します。

ただし、すべての不具合が戻すだけで解消するわけではありません。

WordPress本体やプラグインの状態によっては、別の対処が必要になることもあります。

また、サーバーによっては以前のバージョンに戻せない場合もあります。

Q: 費用はどれくらいかかりますか?

依頼先やサイトの内容によって幅があります。

バックアップやテスト環境での検証を含めた対応となるため、まずは現状をお伝えのうえ、見積もりを取ることをおすすめします。

まとめ

PHPのバージョンアップによる不具合は、原因の切り分け→対処→予防という流れで考えると、落ち着いて対応できます。

不具合が起きたら、まずはPHPのバージョンを元に戻せるか確認し、本体・テーマ・プラグインの更新や原因の切り分けを進めます。

そして何より、事前のバックアップとテスト環境での検証が、不具合そのものを防ぐ最大の備えになります。定期的に発生する作業だからこそ、保守管理の体制を整えておくと安心です。

なお、そもそも「PHPの更新が必要です」という表示が出て対応に迷っている段階の方は、「PHPの更新が必要です」と表示されたらどうすればいいですか?もあわせてご覧ください。

ホームページの保守管理にお悩みでしたら、株式会社リヒトスまでお気軽にご相談ください。