「PHPの更新が必要です」と表示されたら、どうすればいいですか?

WordPressで運用しているホームページの管理画面に、ある日「PHPの更新が必要です」という警告が表示されて、戸惑った経験はないでしょうか。

専門用語が並ぶうえに、放置してよいのか、自分で操作して大丈夫なのか、判断に迷う方も多いと思います。

本記事では、この警告が表示される理由から、安全に更新を進める手順、そして「自分でやるべきか、専門家に任せるべきか」の判断のポイントまで、ITに詳しくない経営者様・ご担当者様にも分かるように解説します。

「PHPの更新が必要です」と表示される理由

「PHPの更新が必要です」とは、Webサイトを動かすPHP(プログラミング言語)のバージョンが古くなり、WordPressが更新を促している警告です。

安全性や動作にかかわるお知らせで、多くの場合はPHPのバージョンを新しくすることで解消します。

まずは、その仕組みを整理しておきましょう。

PHPとは何か

PHPとは、WordPressのようなWebサイトを裏側で動かしているプログラミング言語(コンピューターへの命令を記述したもの)です。

記事の表示やお問い合わせフォームの送信、管理画面の操作など、サイトの動作の多くはPHPによって処理されています。

WordPress本体だけでなく、デザインを決めるテーマや、機能を追加するプラグインもPHPで作られています。

つまりPHPは、ホームページの土台ともいえる存在です。

WordPressそのものについてはWordPressとはもあわせてご覧ください。

なぜ警告が出るのか

PHPには新しいバージョンが定期的に公開され、古いバージョンは順次サポートが終了(EOL)していきます。

この通知は、現在のPHPがWordPressの推奨基準、または安全上の基準を下回っていることを示すものです。

ひとことで「PHPが古い」といっても、緊急度には段階があります。

通常サポート中(推奨より少し古いだけ)なのか、セキュリティ修正のみの期間なのか、すでにサポートが終了しているのかによって、対応の優先度は変わります。

すでにサポートが終了している場合は、脆弱性が残ったまま運用している状態になりやすいため、早めの更新をおすすめします。

現在使用しているバージョンは、管理画面の「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」タブから確認できます。

サイトヘルスは、WordPress 5.2以降に標準で備わっている、サイトの状態をチェックする機能です。

PHPの更新を放置するリスク

警告が出ても表示自体は普段どおりに見えるため、「とりあえず後回し」にしてしまう方は少なくありません。

しかし、古いPHPを放置することには、いくつかの実害が伴います。ここでは主なリスクを整理します。

  • セキュリティの低下:PHP本家のサポートが終了したバージョンには、原則として新たな脆弱性の修正が提供されません(サーバー事業者が独自に対応している場合もあります)。古いまま放置すると、改ざんや不正アクセスの標的になりやすくなります。
  • 表示・動作の不具合:新しいテーマやプラグインが古いPHPで正しく動かず、エラーやレイアウト崩れが起きることがあります。
  • 表示速度への影響:新しいPHPほど処理速度が向上する傾向があります。表示速度が改善すれば、ユーザー体験やCore Web Vitals(表示速度などの利用体験の指標)に良い影響を与える可能性はありますが、PHP更新だけで検索順位が上がるわけではありません。

万が一サイトが正しく表示されなくなった場合の対処は、ホームページが表示されないときの原因と対処も参考になります。

PHPバージョンを更新する手順

PHPの更新は、多くのサーバーでは管理画面から変更できる作業です。

ただし、反映までの時間や切り戻しの可否はサーバーによって異なり、いきなりバージョンを上げると不具合が出ることもあるため、事前の準備が欠かせません。

ここでは、安全に進めるための基本的な流れを5つの手順で解説します。

手順1|現在のPHPバージョンを確認する

まずは今のバージョンを把握します。WordPressの管理画面で「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」と進み、「サーバー」の項目を開くと、現在使用中のPHPバージョンが確認できます。

レンタルサーバーの管理画面に表示されている場合もあります。

手順2|バックアップを取る

更新前に、必ずバックアップを取得します。WordPressの全ファイルとデータベースの両方を控えておくと、問題が起きた際に元の状態へ戻せます。

多くのレンタルサーバーには管理画面からバックアップを取れる機能があり、専用のプラグインを利用する方法もあります。

手順3|本体・テーマ・プラグインを最新化し、互換性を確認する

原則として、PHPを上げる前にWordPress本体・テーマ・プラグインを最新の状態に更新します。

古いまま放置されたプラグインは、新しいPHPに対応していないことがあるためです。

ただし、現在のPHPが古すぎる場合は、最新のWordPressがそのPHPに対応しておらず、先に更新できないことがあります。

その場合は「今のPHPで可能な範囲を更新する→テスト環境でPHPを変更する→残りを更新する」という順序で、段階的に進めてください。

互換性チェックツールは参考になりますが、すべての不具合を検出できるわけではありません。

テーマ・プラグイン配布元の対応PHP情報を確認したうえで、ステージング環境でフォーム送信・ログイン・決済・予約など、実際の動作をテストしておくと安心です。

長期間更新されていないプラグインは、代替への切り替えも検討してみてください。

手順4|サーバー管理画面でPHPを切り替える

準備が整ったら、サーバーのコントロールパネルからPHPのバージョンを変更します。

操作する場所や名称、反映までの時間、元のバージョンへ戻せるかどうかは、レンタルサーバー各社で異なります。

変更の前に、利用できるバージョン・反映時間・切り戻しの可否(戻せる期間に制限がないか)を、公式マニュアルかサポート窓口で確認してください。

サーバーの基礎についてはサーバーとはで解説しています。

2026年6月時点で、WordPress公式の推奨はPHP 8.3以上です(出典:WordPress.org 要件ページ)。

ただし、PHP本家では8.3はすでにアクティブサポートを終え、重大なセキュリティ修正のみの期間に入っています。

テーマ・プラグイン・サーバーが対応していれば、より新しくサポートが続いているバージョン(8.4など)も選択肢になります。

実際に選べる範囲はサーバーによって異なるため、管理画面で確認しながら選びましょう。

手順5|表示確認と、問題があれば切り戻す

切り替え後は、トップページやお問い合わせフォームなど主要なページが正しく表示されるか確認します。

もしエラーや表示崩れが起きた場合は、PHPのバージョンを元に戻すと、多くの場合は復旧します。

可能であれば、本番サイトに影響を与えずに検証できるステージング(テスト)環境での事前確認をおすすめします。

自分で更新する?専門家に任せる?判断のポイント

手順だけを見ると簡単そうに思えますが、実際には「バージョンを上げた瞬間にサイトが真っ白になった」というご相談も少なくありません。(※phpのバージョンアップでおこる不具合に関しましては『PHPバージョンアップで不具合がでることがありますか?』のページで詳しく説明していますのでご参照ください。)

ここでは、ご自身で対応できるケースと、専門家に任せた方がよいケースの判断軸を整理します。

ご自身で対応しやすいのは、次のようなケースです。

  • 使用しているプラグインが少なく、いずれも最新に保たれている
  • テーマを独自にカスタマイズしていない
  • バックアップと切り戻しの手順を理解している

一方、次のような場合は専門家に任せた方が安心です。

  • プラグインを多数導入している、または独自のカスタマイズがある
  • サイトが止まると予約・問い合わせなど業務に直接影響する
  • バックアップや復旧の操作に不安がある

PHPの更新は、ホームページの保守管理サービスに含まれていることが多い作業です。

専門の制作会社に依頼する場合の費用感は、ホームページの保守費用の相場で解説しています。

弊社リヒトスでも、こうした更新作業を含む保守管理を承っております(弊社の保守管理サービス)。

業種別に見る「更新トラブル」の影響

PHPの更新を後回しにしたときの影響は、業種によって深刻さが変わります。

サイトが一時的に止まるだけでも、機会損失や信頼低下につながる場面があるためです。

いくつかの業種を例に見ていきます。

  • 飲食店:予約フォームやメニューが表示されないと、来店前のお客様を逃しかねません。
  • 士業(税理士・社労士・行政書士など):サイトの不具合は専門家としての信頼性に直結しやすく、問い合わせ機会も損ないます。
  • 製造業:取引のきっかけとなる問い合わせフォームが停止すると、新規の引き合いを取りこぼします。
  • 美容室・サロン:オンライン予約が使えないと、予約数に直接響きます。
  • 小売・EC:決済や在庫表示に関わる不具合は、売上そのものに影響します。

弊社では、業種を問わず保守管理を通じて、こうしたトラブルの未然防止に取り組んでいます。

よくあるご質問

ここでは、PHPの更新についてよくいただくご質問にお答えします。

Q: PHPを更新しないと、すぐに何か起きますか?

すぐにサイトが止まるわけではありません。

ただし、サポートの切れたPHPを使い続けるほど、セキュリティ上のリスクは少しずつ高まっていきます。

早めの対応をおすすめします。

Q: 自分で更新して、元に戻すことはできますか?

サーバーによっては、PHPのバージョンを元に戻す操作ができます。

ただし、戻せるかどうかや反映までの時間はサーバーによって異なり、古いバージョンへは戻せない場合もあります。

変更前に切り戻しの可否を確認し、あわせて事前のバックアップを取っておくことが重要です。

Q: PHPはどのバージョンにすればよいですか?

2026年6月時点で、WordPress公式の推奨はPHP 8.3以上です(出典:WordPress.org 要件ページ)。

ただし、PHP本家では8.3はすでにアクティブサポートを終え、重大なセキュリティ修正のみの期間に入っています。

テーマ・プラグイン・サーバーが対応していれば、より新しくサポートが続いているバージョン(8.4など)を選ぶと、より長く安心して使えます。

実際に選べる範囲はサーバーによって異なるため、管理画面で利用可能なものを確認してください。

まとめ

「PHPの更新が必要です」という警告は、ホームページの安全と動作を保つための大切なサインです。

慌てて操作せず、現在のバージョン確認→バックアップ→本体・テーマ・プラグインの最新化と互換性確認→サーバーでの切り替え→表示確認、という順序で進めることが、トラブルを避ける近道です。

古いPHPで先に進めない場合は、段階的に更新することも検討してください。

プラグインが多い場合や、サイトが止まると業務に支障が出る場合は、無理をせず専門家への相談も選択肢に入れてみてください。

ホームページの保守管理や、PHP更新などの技術的なメンテナンスにお悩みでしたら、株式会社リヒトスまでお気軽にお問い合わせください。