ホームページ制作会社の「保守管理費用」って、何の費用なの?

はじめに

ホームページを制作会社に依頼すると、納品後に「月額◯◯円の保守費用がかかります」と案内されることがほとんどです。

ところが、その金額が妥当なのかどうかは、経営者様にとって判断しにくいのではないでしょうか。

保守費用は目に見える商品ではありません。

そのため「何もしていないのに払い続けている気がする」と感じてしまう方もいらっしゃいます。

この記事では、ホームページの保守費用を、相場・その根拠・含まれる作業・含まれない作業・数年単位で見た総額という5つの観点から解説します。

今お支払いの金額が適正かどうかを、ご自身で判断できる状態を目指します。

ホームページの保守費用とは

ホームページの保守費用とは、公開後のホームページを安全に、正しく表示される状態で維持するために、制作会社などへ継続して支払う費用です。

2026年9月時点では、月額5,000円〜2万円が最も一般的な価格帯とされています。

ここではまず、見積書や契約書で混同されやすい3つの言葉を整理します。

保守費用・管理費・維持費は何が違うのか

この3つは、多くの記事で区別されないまま使われています。

ただし、実務では指している中身が少しずつ異なります。

維持費

維持費は、ホームページを公開し続けるために必ずかかる実費を指すことが多い言葉です。

サーバー(ホームページのデータを置いておくコンピューター)の利用料、ドメイン(◯◯.co.jp などホームページの住所)の更新料などが該当します。

これらは制作会社に頼まなくても発生します。

管理費

管理費は、制作会社に毎月支払う委託費全体を指して使われることが多い言葉です。

実費を含む場合もあれば、作業料だけを指す場合もあります。

保守費用

保守費用は、そのうち技術面の作業に注目した呼び方です。

CMS(コンテンツ管理システム)の更新、バックアップ、障害対応などが中心になります。


弊社では、契約書や見積書で使われている言葉そのものより、「その金額に何が含まれているか」を一覧で確認することをおすすめしています。

呼び方は会社によって違うためです。

なお、「運用」と「保守」は何が違うのかは、別の記事で詳しく扱っています。

なぜ制作後にも費用がかかるのか

「作って終わりではないのか」という疑問は、ホームページの作られ方を知ると理解しやすくなります。

ホームページには、大きく分けて静的サイトと動的サイトの2種類があります。

静的サイトは、あらかじめ作ったページをそのまま表示し続ける仕組みです。

更新の必要がなければ、置いておくだけで表示され続けます。

一方、WordPress などの CMS で作られた動的サイトは、表示するたびにプログラムがページを組み立てています。

このプログラム自体が定期的に更新されるため、更新を止めると、時間の経過とともに不具合や脆弱性を抱えた状態になります。

つまり、保守費用が必要かどうかは、ホームページの作られ方によって変わります。

この違いは「静的サイト」と「動的サイト」の違いと選び方で詳しく解説していますので、ご自身のホームページがどちらか分からない場合はあわせてご覧ください。

ホームページの保守費用の相場【2026年9月時点】

ここからは、実際の金額を価格帯ごとに見ていきます。

なお、以下の金額はいずれも2026年9月時点のものです。

保守費用は市場の相場や各社のサービス内容によって変動するため、契約時点の最新の料金表をご確認ください。

月額5,000円以下

この価格帯は、ホームページを公開し続けるための最低限の維持が中心になります。

具体的には、サーバーとドメインの契約管理、SSL(通信を暗号化する仕組み)の維持、CMS の定期更新、バックアップといった作業です。

文章の修正や写真の差し替えは、含まれる会社と含まれない会社に分かれます。

更新頻度が低く、会社案内として置いておくことが主な目的のホームページであれば、この価格帯で足りるケースが多いです。

名刺代わりに開設された事務所案内のサイトなどが典型です。

ただし「安い=作業が少ない」とは限らず、含まれる範囲を確認しないと比較になりません。

サーバー代とドメイン代が別途実費になっている場合、月額の表示だけを見ると、実際の負担より安く見えます。

また、この価格帯では、トラブル発生時の対応が「別料金」となっている契約も見られます。

年に一度も使わないかもしれない項目ですが、必要になったときの費用は確認しておくことをおすすめします。

月額5,000円〜2万円 ― 最も一般的な価格帯

中小企業のホームページで、最も多く選ばれている価格帯です。

5,000円以下の内容に加えて、月に数回程度の文章修正・写真差し替えといった軽微な更新が含まれます。

さらに、CMS やプラグインのアップデート作業、サーバー障害が起きたときの一次対応まで対応する契約が一般的です。

「月に1〜2回はお知らせを出したい」「何かあったときに相談できる先がほしい」というご要望であれば、この価格帯が現実的な選択肢になります。

この帯のなかでも、金額の差は「更新に応じる回数」と「相談に応じる範囲」で生まれます。

月2回までの修正が含まれる契約と、回数無制限だが1回あたりの作業量に上限がある契約では、同じ金額でも使い勝手が変わります。

後述しますが、この帯が最も一般的であることは、公開されている発注データでも裏づけられています。

月額2万円〜5万円

より手厚いサポートを前提とした価格帯です。

定期的なコンテンツ更新の代行、アクセス解析レポートの提出、技術的な相談への随時対応などが加わることが多くなります。

ページ数が多いサイトや、予約・問い合わせなどの機能を持つサイトで選ばれます。

この価格帯から、「依頼したことをやってもらう」だけでなく、「どうすればよいかを一緒に考える」要素が入ってきます。

社内にWeb担当者を置く代わりに外部へ委託する、という位置づけに近くなります。

月額5万円以上

集客支援まで含める場合の価格帯です。

SEO(検索エンジン最適化)のコンサルティング、広告運用の支援、改善提案といった、「守り」ではなく「攻め」の作業が中心になります。

ECサイトや、Webからの売上比率が高い企業で選ばれることが多い価格帯です。

この帯では、広告費が別途かかる点にご注意ください。

広告運用を委託する場合、「運用手数料は広告費の◯%」という料金体系が一般的で、保守費用とは別枠での支払いになります。

なお、集客支援の内容によっては月額数十万円になる場合もあります。

この領域は保守というより、マーケティングの委託費に近いものとお考えください。

同じ「保守」でも金額が動く理由

同じ言葉でも金額に4倍以上の差が出るのは、次の3つの要素が違うためです。

1つめはサイトの規模です

ページ数が多いほど、更新時の確認範囲も広がります。

2つめは更新の頻度と量です。

月に1回の修正と、週に1回の記事更新では、必要な作業時間が大きく変わります。

3つめは対応範囲です。

「表示されていれば良い」のか、「集客まで任せたい」のかで、金額の意味が変わります。

したがって、相見積もりを取る際は金額だけを並べても比較になりません。

「月に何回まで、どの範囲の作業が含まれるか」を揃えて比べることが大切です。

この相場は何を根拠にしているのか

保守費用の記事は数多くありますが、示された金額の根拠まで書かれているものは多くありません。

ここでは、弊社がこの記事で示している相場が、どのようなデータに基づいているかを3つの層でご説明します。

公開されている調査データ

まず、第三者が公開している発注データです。

Web制作会社のマッチングサービスを運営する Web幹事は、「ホームページ管理費の相場は?月額の内訳とコストを安く抑える5つのポイント」(更新日 2026年9月4日)を公開しています。

同記事は、同社のマッチングサービス経由で発注されたホームページ保守・管理の費用相場について、次のように記載しています。

実際に、ホームページ管理費の相場帯としては5,000円~2万円の相場が約6割を占めている状況です

同記事では、平均費用は4.1万円、中央値は1.1万円とも記載されています。

あわせて、5万円以上の相場帯にはECサイトや金融機関のサイトなど、高い保守性とセキュリティが求められるサイトが多いとも述べられています。

平均が中央値の約4倍になっているのは、この層が平均を押し上げているためと考えられます。

保守費用を検討する際に参考にすべきは、平均ではなく中央値や最も多い価格帯のほうです。

同記事自身も、この2つの数値を踏まえて次のように結論づけています。

ホームページ管理費の予算として5,000円~2万円を見ておくのは妥当といえるでしょう

なお、この記事を執筆した2026年9月時点では、調査の実施時点と件数を確認できませんでした。

そのため、この数値は「あるマッチングサービスを経由した発注の傾向」として捉えるのが適切です。

(出典:Web幹事「ホームページ管理費の相場は?月額の内訳とコストを安く抑える5つのポイント」更新日 2026年9月4日)

弊社がお預かりしている保守管理案件の実際

次に、弊社自身のデータです。

弊社で保守管理をさせていただいているお客様からのご依頼は、その約半数がホームページの文章の変更と写真の差し替えです。

残りが、機能やシステムに関するご相談、トラブル対応、メール関連の設定などになります。

これは弊社が扱う案件での傾向であり、業界全体の統計ではありません。

ただし、保守費用の大半は「大がかりな作業」ではなく「小さな更新の積み重ね」に対して支払われています。

この傾向は、多くの中小企業のホームページに当てはまるはずです。

弊社の保守管理費用は、2026年9月時点で2種類です。

プラン月額(税込)年額(税込)修正対応
ライトプラン(更新頻度の少ない方向け)3,300円39,600円なし(都度3,300円〜)
スタンダードプラン(月1〜2回の更新がある方向け)5,500円66,000円月2回まで(3回目以降は3,300円〜/件)

お支払いは1年分一括が基本です。毎月の分割払いをご希望の場合は、ライトプラン4,400円、スタンダードプラン6,600円(いずれも税込)となります。

サーバー代とドメイン代は、いずれのプランにも含まれません。

前述の価格帯に当てはめると、ライトプランは「月額5,000円以下」、スタンダードプランは最も一般的な「月額5,000円〜2万円」の下限に位置します。

必要な作業に絞ることで、この水準に収めています。

乗り換え前に払われていた金額

3つめは、実際に他社から弊社へ保守管理を移された方が、それ以前に支払われていた金額です。

ペットシッターMom&Honey様は、弊社へ切り替えられた理由について「圧倒的に毎月の管理費用です。

当時は毎月8,000円ほど払っていたと思います」と述べておられます。

一般的な相場の解説ではなく、実際に支払われていた金額が語られている点で、判断材料としての価値があります。

ご自身が今お支払いの金額と比べてみてください。

保守費用に含まれる作業

ここからは、保守費用で具体的に何が行われているのかを見ていきます。

目に見えにくい作業が多いことが、「何もしていないのでは」という印象につながっています。

代表的な5つの作業を順に解説します。

作業頻度の目安読者から見えるか
サーバー・ドメイン・SSLの維持契約更新時・障害時見えにくい
CMS本体・テーマ・プラグインの更新月数回見えにくい
バックアップとデータの保全毎日〜毎週ほぼ見えない
テキスト・写真の変更依頼のつど見える
メールアドレスの追加・設定人員の増減時見える

サーバー・ドメイン・SSLの維持

ホームページを表示し続けるための土台の管理です。

サーバーは契約の更新と、障害が起きたときの一次対応が必要になります。

ドメインは更新期限を過ぎると失効し、ホームページもメールも同時に止まります。復旧できないケースもあるため、期限管理は保守の中でも重要度の高い作業です。

SSL は、多くのレンタルサーバーで無料の証明書が提供されるようになりました。

ただし、証明書には有効期限があり、自動更新の設定が外れていると「保護されていない通信」と表示されます。

なお、サーバー代とドメイン代の金額は、サービスやプラン、契約期間によって幅があります。

これらは実費のため、保守費用に含まれるか別途請求かは会社によって異なります。

ご契約先の公式サイトで現在の料金と更新時期を確認し、あわせて見積書での扱いもご確認いただくと安心です。

WordPress本体・テーマ・プラグインの更新

CMS を使ったホームページで、最も手間がかかり、かつ最も重要な作業です。

WordPress は、W3Techs の調査(2026年9月10日時点)によると、全Webサイトの40.3%で使われています。

利用者が多いぶん、攻撃の対象にもなりやすいという性質があります。

WordPress は本体の更新が頻繁です。2026年9月時点の最新安定版は、2026年8月19日に公開された WordPress 7.1「Mary Lou」です。

これに加えて、テーマ(デザインの土台)とプラグイン(機能を追加する部品)も、それぞれ個別に更新されます。

厄介なのは、更新することで表示が崩れたり、機能が動かなくなったりする場合がある点です。

そのため、実務では次の手順を取ります。

  1. 更新前にバックアップを取る
  2. 更新を適用する
  3. 表示と機能に問題がないかを確認する
  4. 不具合があれば元に戻す

「更新ボタンを押すだけ」に見えて、確認まで含めると相応の時間がかかります。

また、サーバー側の PHP(ホームページを動かすプログラム言語)のバージョンが上がる際にも、同様の確認が必要になります。

管理画面に「PHPの更新が必要です」と表示された場合の対処も、あわせてご覧ください。

バックアップとデータの保全

お客様から最も見えにくく、それでいて万一のときに効いてくる作業です。

WordPress のホームページは、プログラム部分・データベース部分・アップロードした画像などが別々に保存されています。

復旧するには、これらがそろっている必要があります。片方だけでは元に戻せません。

バックアップは「取っているかどうか」だけでなく、「どの時点まで戻せるか」「実際に戻せることを確認しているか」が重要です。

ご契約の際は、保存期間と復旧の可否を確認されることをおすすめします。

レンタルサーバー側にも自動バックアップ機能が付いていることがあります。

ただし保存期間が短い、復旧作業が有料といった条件が付く場合もあるため、サーバー側の機能だけで足りるかどうかは個別の確認が必要です。

なお、バックアップは不具合対応だけのものではありません。

誤って公開前の内容を上書きしてしまった、といった人為的なミスの際にも使われます。

テキスト・写真の変更

日常的に最も依頼が多い作業です。

営業時間の変更、料金改定、スタッフ写真の差し替え、お知らせの掲載といった内容が該当します。

弊社の場合、スタンダードプランに月2回までの軽微な修正が含まれます。

ライトプランは修正対応を含まないため、ご依頼は都度3,300円〜での対応となります(いずれも2026年9月時点)。

実際の作業例は文章・写真の変更のページにまとめています。

ここで注意していただきたいのは、「テキスト」と「テキストに見える画像」は作業がまったく違うという点です。

見出しやバナーの文字が画像で作られている場合、文字の修正には画像の作り直しが必要になります。

多くの会社で、これは別料金の扱いです。

メールアドレスの追加・設定

ホームページと同じドメインでメールを使っている場合、メールの管理も保守の範囲に入ってきます。

新しく入社された方のメールアドレスを追加する、退職された方のアドレスを削除する、といった作業です。

パソコンやスマートフォン側の設定サポートを含めるかどうかは、会社によって分かれます。

弊社が実際におこなっている保守管理の作業内容は、サービスページにまとめています。

保守費用に「含まれない」作業

相場を知ることと同じくらい大切なのが、その金額に含まれない作業を把握しておくことです。

ここを確認せずに契約すると、「思っていたより追加費用がかかる」という食い違いが起こります。

ここでは弊社の料金表を例に、線引きの実際をご説明します。

別途お見積りになる作業の代表例

弊社の料金ページでは、保守管理に含まれない作業を明示しています(2026年9月時点)。

代表的なものは次のとおりです。

  • 新規ページの追加・作成
  • デザイン変更(レイアウト・配色・フォント)
  • 新機能の追加(フォーム・予約システム等)
  • 画像・バナーの制作
  • 大幅なCSS調整を伴うレイアウト変更
  • ECサイトの商品登録代行
  • 記事コンテンツの執筆代行
  • SEO対策作業
  • サーバー・ドメイン関連作業
  • WordPressテーマ・プラグインの新規導入

共通しているのは、「既にあるものを直す」のではなく「新しく作る」作業という点です。

弊社の経験では、この考え方を採っている制作会社は少なくないように思われます。

ただし区切り方は会社ごとに異なりますので、ご契約先の料金表で必ずご確認ください。

一方、保守管理に含まれるのは、次の作業です。

  • 既存ページ内のテキスト変更・追加・削除
  • 既存ページ内の画像差し替え(お客様支給)
  • リンクの追加・修正・削除
  • 電話番号・住所・営業時間など基本情報の更新
  • お知らせ・新着情報の投稿(1件)
  • 既存の表組み・リストの項目追加・修正

いずれも弊社の料金ページに掲載している内容です(2026年9月時点)。

「軽微な修正」の線引きは会社ごとに違う

見積書でよく使われる「軽微な修正」という言葉には、共通の定義がありません。

弊社では、1通のメールでのご依頼は複数箇所にわたっても1回と数え、作業量が30分程度を超える場合は別途ご相談とさせていただいています(2026年9月時点)。

他社では「1箇所ごとに1回」と数える場合もあれば、時間ではなく件数だけで区切る場合もあります。

どちらが正しいというものではありません。

重要なのは、契約前にその会社の数え方を確認しておくことです。

同じ「月2回まで」でも、数え方が違えば実質的な作業量は変わります。

契約前に確認しておきたい5項目

金額の比較に入る前に、次の5点を揃えて確認されることをおすすめします。

  1. 含まれる作業の範囲(何が含まれ、何が別料金か)
  2. 回数の数え方(1回の定義、繰り越しの可否)
  3. サーバー代・ドメイン代の扱い(費用に含まれるか、実費か)
  4. ドメインとサーバーの名義(お客様名義か、制作会社名義か)
  5. 解約時の手続き(データの引き渡し、移管の可否と費用)

とくに4番目は見落とされがちです。

ドメインが制作会社の名義になっていると、他社への移行時に所有権の移転手続きが必要になります。

有限会社GTサーキット様は、弊社へ移られた経緯を語っておられます。

以前ホームページを管理していた会社について「詐欺まがいで値段は高く、色々なビジネス向けサービスの費用を取っていたにもかかわらず、一度もそこに登録をしていなかったことが発覚し」とのことでした。

何に対して支払っているのかを把握しておくことは、金額の妥当性を判断する前提になります。

3年・5年で見た総額で比べる

保守費用は月額で提示されるため、金額の小ささから軽く見られがちです。

しかしホームページは数年単位で使うものですから、制作費と保守費用を合わせた総額で比べると、印象が変わります。

ここでは2つのケースを比較します。

制作費が安く、保守費が高いケース

制作費5万円、月額の保守費用1万円という条件で計算してみます。

  • 1年目:5万円 + 12万円 = 17万円
  • 3年目まで:5万円 + 36万円 = 41万円
  • 5年目まで:5万円 + 60万円 = 65万円

初期費用の安さで選ばれることが多い形ですが、3年目には制作費の7倍以上を保守費用で支払っている計算になります。

もちろん、その金額に見合う作業が行われているなら問題はありません。

判断が必要なのは、月額に見合う作業が実際に行われているかどうかです。

確認の方法はそれほど難しくありません。

過去1年間に何回作業を依頼したかを数え、その回数を年間の支払額で割ってみてください。

1回あたりの単価が見えると、妥当性を判断しやすくなります。

制作費が高く、保守費が安いケース

制作費30万円、月額の保守費用3,000円という条件で、同じように計算します。

  • 1年目:30万円 + 3.6万円 = 33.6万円
  • 3年目まで:30万円 + 10.8万円 = 40.8万円
  • 5年目まで:30万円 + 18万円 = 48万円

1年目の負担は前のケースの倍近くになりますが、3年目でほぼ並び、5年目では17万円の差がつきます。

この比較で申し上げたいのは、「初期費用が安いほうが損」ということではありません。

契約を検討する段階で、月額を12倍・36倍・60倍した金額を並べて見ていただきたいということです。

月額3,000円の差は、5年間では18万円の差になります。

なお、ホームページは5年前後で作り替えを検討されるケースが多いため、5年分を1つの区切りとして考えると比較しやすくなります。

もう一点、総額で見るときに忘れやすいのがサーバー代とドメイン代です。

月額に含まれていない場合、5年間で数万円程度の実費が別途かかります。

比較の際は、この実費も同じ条件で並べてください。

また、途中で保守管理会社を変更する場合、移管作業の費用が発生することがあります。

弊社の場合は、管理開始時にサーバー移転が必要なケースで別途の作業費をいただいています(2026年9月時点)。

長期で比べるときは、こうした切り替え時の費用も視野に入れておくと安心です。

自社で管理する場合と外注する場合

保守管理は、必ず外注しなければならないものではありません。

社内で対応できる部分と、難しい部分があります。

ここでは判断の目安を整理します。

自社でできる作業・できない作業

まず、社内で対応しやすいのは、CMS の管理画面から行える更新作業です。

お知らせの投稿、ブログ記事の追加、既存ページの文章修正、写真の差し替えなどは、WordPress の管理画面から操作できます。

日常的に更新される会社であれば、社内で行ったほうが早いことも多いです。

一方、社内での対応が難しくなるのは、管理画面の外側の作業です。

  • WordPress 本体・テーマ・プラグインの更新と、更新後の動作確認
  • バックアップの取得と、復旧できる状態の維持
  • サーバーやドメインの契約管理、障害時の一次対応
  • 不具合が出たときの原因の切り分け

これらは、問題が起きたときに初めて技術的な判断が必要になる領域です。

普段は何も起きないため、対応できる人がいないまま運用されているケースが少なくありません。

社内で対応する場合に最低限必要になるスキルと、自分で管理する場合の業務内容と手順は、それぞれ別の記事で整理しています。

業種別に見た判断の目安

業種によって、ホームページに求められる役割は異なります。役割が違えば、保守に必要な範囲も変わります。

士業(税理士・社労士・行政書士など)の場合、更新の頻度は高くない一方で、掲載内容の正確さと信頼性が重視されます。

料金表や取扱業務の変更を、確実に反映できる体制が必要です。採用ページを持たれている場合は、募集条件の変更が年に数回発生します。

医療・整骨院などの健康分野では、診療時間や休診日の変更を速やかに反映する必要があります。

また、広告表現に関するルールがあるため、掲載内容の変更時に確認が必要になる場面があります。

表現の可否については、所管の窓口や専門家にご確認ください。

工務店・製造業では、施工事例や製品情報が更新の中心になります。

写真の点数が多く、掲載するたびに一定の作業量が発生するため、月額に含まれる回数を確認しておくことが大切です。

ペットシッター・美容室などのサービス業は、料金やメニューの改定が比較的頻繁です。

小さな修正が繰り返し発生するため、「月に何回まで」という条件が実態に合っているかが選定の分かれ目になります。

マンション管理組合などの団体では、担当の方が任期で交代されることがあります。

引き継ぎの際に、契約内容やサーバー・ドメインの情報が分からなくなるケースが起きやすいため、書面で残しておける体制が向いています。

なお、AI ツールで制作されたホームページには、また別の注意点があります。

AIで作ったサイトの保守管理の5つの落とし穴でまとめていますので、該当する方はご確認ください。

保守費用のよくあるご質問

ここでは、保守費用について弊社によくいただくご質問を4つまとめます。

金額そのものよりも、契約後の運用に関するご相談が多い領域です。

今の保守費用が高いと感じたら

まず、現在の契約に何が含まれているかを確認するところから始めてください。

金額だけを他社と比べても、含まれる作業が違えば比較になりません。

契約書または見積書で、作業範囲・回数・実費の扱いを確認したうえで、同じ条件で相見積もりを取ると判断しやすくなります。

管理費が高いと感じられた場合の見直し方は、別の記事で詳しく解説しています。

保守管理会社は変更できるのか

変更は可能です。ただし、事前に確認しておく情報があります。

サーバーとドメインの契約先、それぞれの名義、WordPress の管理者権限、メールアドレスの一覧などです。

これらが分からない状態でも移管できるケースはありますが、調査に時間がかかります。

株式会社コリ企画様は、弊社へ移管された際のことを「いくつかの業者様とお話しや相見積をお願いしましたが、一番丁寧で分かりやすく迅速でした」と述べておられます。

具体的な進め方と、事前に揃えておく情報はホームページの管理会社を変更する方法にまとめています。

なお、制作会社が倒産した場合や、管理会社と連絡が取れなくなった場合の対処法は、別の記事で扱っています。

遠方の会社に任せても大丈夫か

保守管理については、地理的な距離が問題になる場面はほとんどありません。

作業の中心はサーバー上での操作と、メールでのやり取りだからです。

弊社でも、全国のお客様の保守管理をお受けしています。

ただし、対面での打ち合わせを重視される場合や、写真撮影をともなう更新が多い場合は、近隣の会社を選ばれるほうが進めやすいこともあります。

ご自身の運用スタイルに合わせてご判断ください。

距離よりも確認していただきたいのは、連絡手段と返答までの目安です。

メールのみか、電話にも対応するか。依頼してから着手までどのくらいかかるか。

この2点が合っていれば、所在地が離れていても支障が出ることはほとんどありません。

保守を止めるとどうなるか

すぐに表示されなくなるわけではありません。問題は、時間の経過とともに現れます。

CMS の更新を止めると、公開されている脆弱性が修正されないまま残ります。

これは乗っ取りや改ざんの可能性を大きく高める要因になります。

また、サーバー側の仕様変更(PHP のバージョン変更など)に追従できず、ある日突然、表示が崩れる、フォームが動かなくなるといったことが起こります。

さらに、バックアップがない状態で不具合が起きると、復旧そのものができないケースがあります。

この場合は作り直しになり、結果的に数年分の保守費用を上回る費用が必要になることも少なくありません。

なお、静的サイトで更新の予定がまったくない場合は、必要な作業が少なくなります。

ホームページの作られ方によって判断が変わる点は、記事の前半でご説明したとおりです。

まとめ

ホームページの保守費用について、5つの観点から解説しました。

  • 相場は月額5,000円〜2万円が最も一般的です(2026年9月時点)。この帯が約6割を占めるという発注データもあります
  • 金額を比べる前に、含まれる作業と含まれない作業を揃えて確認してください
  • 「軽微な修正」の数え方は会社ごとに違います。回数の定義をご確認ください
  • 月額は12倍・36倍・60倍して、総額で比較すると判断しやすくなります
  • ドメインとサーバーの名義、解約時の手続きは、契約前に確認しておくことをおすすめします

保守費用は、目に見えない作業に対して支払う費用です。

だからこそ、「何に対して払っているか」を把握できている状態が、適正な金額かどうかを判断する出発点になります。

ホームページの保守管理にお悩みでしたら、株式会社リヒトスまでお気軽にご相談ください。

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当社ではホームページの制作と管理をおこなっています。

ホームページの管理費は月額換算で3,300円です(年払い税込39,600円)。

ホームページの管理をさせて頂いているお客様には、ブログ記事の書き方に関するご相談なども受けております。

これから作るホームページの制作、現在お持ちのホームページのリニューアルや保守管理に関してなど、ホームページに関することはなんでもお気軽にご相談ください。